「誰を信頼するか」「思い込みをしていないか」を、再度確認して!
辰巳:次に、女性がそんなつもりで言ってないのに離婚の決定打になってしまった一言について、夫婦力向上アドバイザーのコマツマヨさんに男性側の見解と対処法をお聞きしたいと思います。
コマツさん:よろしくお願いします。
辰巳:「仕事しかできないんだね」とか「隠し事してないよね?」とか、かなり些細な一言だと思うんですよ。これが離婚の決定打になるなんて、女性側は思ってなかったのではないでしょうか。
コマツさん:男性も、育児や家事を手伝うことの大切さは分かっているんです。でも、やっぱり仕事を頑張ることが最も大切で、それが家族への責任だと思っています。だからこそ、頑張っている自分を認められていないような発言にショックを受けたんでしょうね。
辰巳:女性側が子育て中心の生活なのも、そのあたりの理解を妨げている可能性がありそうですね。
コマツさん:家事と育児が中心の生活では、男性の仕事がいかに大変かをキッチリ理解するのが難しかったのかもしれないですね。
もしかしたら、仕事を全力でやっていることへの羨やましさもあったのかもしれません。その上、育児と家事中心の生活は、体はしんどいけれど頭はさほど使わなくてよかったりするため、余計なことを考えてしまうこともあります。
辰巳:体はしんどいけど、頭は動くから抑えていたストレスが、意味なく夫に向けられてしまったということでしょうか?
コマツ:心と体の余裕があるときは、自分で「彼は大丈夫」と確信をもつことができたと思うんです。ですが、今までとは違った生活、ましてやお子さんがいると余裕もなくなってしまいますよね。
すると、ちょっとしたことで相手を疑いがちになるし、周りの責任感のない意見にも耳を傾けて流されやすくなってしまうこともありえます。
辰巳:ママ友からの「こんな話、聞いたよー」とかですね。
コマツさん:夫婦関係はカップルによって千差万別です。ですが、子育てはある程度みんな同じことをしています。未経験で不安な時に相談して頼りあっている間柄であればあるほど、相手の発言を必要以上に信じてしまうこともありますから。
辰巳:一番信頼すべきなのは、旦那さん。これを念頭においておくと、男性側から離婚をいきなり言われるのは防げそうですし、女性側も発言する時にちょっと踏みとどまることができそうです。
コマツさん:「周りの人は、私や夫をどれくらい知っている人?」、「このご夫婦は実際に上手くいってる?」などを、しっかりと考えて意見を受け止めることですね。ここがまず大事です。その上で、女性側も「旦那さんに対して、信頼される言動をしているか」ということを考えてほしいと思います。
辰巳:確かに! 相手のことを「多分、こうだろう」みたいな、自分だけで考えた曖昧な理解が、すれ違いというか誤解を生んでしまっている根本的な原因なんですね。コマツさん、ありがとうございました。
コマツさん:夫婦にこそ、親しき仲にも礼儀ありですし、相手を理解する姿勢やコミュニケーションがお子さんの生まれる前よりも大事になってきます。これを意識して実践している夫婦は信頼も絆も強いし、やっぱり長続きしてますよね、何があっても。こちらこそ、ありがとうございました!
まとめ
子どもに言葉をかけるときは、パパの悪口ではなく“パパの良さ”を伝えるようにする。
旦那さんに言葉をかけるときは、疑いや間違いについてではなく、調子や考えを聞くことを意識する。
この2つを心がけるだけで、お互いに最低な一言を防ぐことができるのではないでしょうか。
離婚は、精神的にもかなり負担がかかるもの。そう簡単に決断する人はいないはずです。専門家2人の意見を参考に、これからはちょっとした言動に気をつけてみてくださいね。もしかしたら、逆に円満になってしまうかもしれませんよ!
【取材協力】杉山 豊
夫婦・恋愛カウンセラー/パートナーシップ専門家。大学卒業後、様々な職を経験し運転手専門のアウトソーシング事業に10年勤務。管理職として人事や人材育成に携わる。結婚や育児を経て独立し、家族による家族のための【waratte】事業を展開している。 アメリカ発の夫婦カウンセリング資格『プリペアエンリッチ』取得者。
【取材協力】コマツマヨ
恋愛・夫婦力向上アドバイザー/ライター。焼酎バーの店長、ウエディンググッズデザインメーカーでの経験や姉御肌な性格を活かして、恋愛・夫婦間の問題に悩む女性向けにコラムを執筆中。また洋菓子メーカーの広報主任だったことを活かし、企業ホームページライティング、社内報インタビュー、東京23区の広報誌も手がけている。