お兄さんをしてくれてありがとうございます!

撮影/小嶋文子

――お二人はあの頃の自分に花束を贈りたくなるような、学生時代に頑張ったことはありますか。

黒羽:僕、学生時代にあんまり頑張った記憶がないんですよね(苦笑)。

醍醐:僕も。ちゃんと中学校を卒業したくらい(笑)。

黒羽:それ義務教育だから(笑)。

醍醐:部活は頑張ってはいまいしたけど、それも当たり前のことというか。

黒羽:僕は敢えて言うなら、通っていた高校が結構な高さの丘の上にあって、その場所に自転車で通っていたのは頑張っていたなって。おかげで強靭な下半身を手に入れました(笑)。でもバイク通学が許可されていたので、免許を取ってからはバイクで通ってしまっていましたけど。

撮影/小嶋文子

――では花束を贈って感謝を伝えたい人は?

醍醐:学生時代からの友達ですね。「今も仲良くしてくれてありがとう」と言いたいです。中学生の時からの付き合いで、僕に何かあったら絶対に助けてくれると思います。わりと頻繁に地元には帰っているんですけど、その時はみんなで集まってずっと何でもないことを話しています。

友達と会うと原点回帰というか、普通の感覚に戻れるというか。いろんな役をやったりして自分を見失いそうになった時とか、友達と会うと普段通りの、ありのままの自然体な自分に戻れるので、ここは大事にしなくちゃいけない場所だと思っています。

撮影/小嶋文子

――黒羽さんにもそういうリセットできるような場所はありますか。

黒羽:僕は家ですかね。親友も近所に住んでいるし。とにかくプライベートは大事にするようにしています。もちろん仕事も大事ですけど、僕はプライベートが充実している時の方が仕事も充実している感じがあるんです。

片方がダメになると、もう片方もちょっと変な感じになる。両方楽しいと思えている時が一番良いんです。仕事のためにプライベートを削るという方もいるとは思うんですけど、僕の場合はあまりその方法は良くなくて。

言い方が難しいんですけど、人間なので明日死ぬかも知れないじゃないですか。そうなった時に「俺、仕事しかしてなかったな」とはなりたくないんです。やっぱり仕事もプライベートも両立させたいです。

醍醐:僕もそう思います。どちらも大切ですよね。

撮影/小嶋文子

――この際だからお互いに言っておきたいことや、聞いておきたいことはありませんか。

黒羽:虎汰朗くんにお金を貸しています(笑)。

醍醐:えっ!? 本当に?

黒羽:嘘、嘘(笑)。

醍醐:びっくりした~(笑)。

黒羽:この振り、前にもやったじゃん(笑)。

醍醐:確かに。サウナであった気が(笑)。僕は麻璃央くんには「ご馳走してくださってありがとうございます」「現場で仲良くしてくれてありがとうございます」と言いたいです。

黒羽:(照れて)やめろよ~。

醍醐:ホントに麻璃央くんが心の拠り所だったのですごく救われました。現場の雰囲気も明るくしてくれて。改めてお礼を言ってなかったと思って。

黒羽:いやいや、やめてください、そんな(照笑)。

醍醐:今日の取材でもいっぱい隣でしゃべってくださるので気が楽というか。お兄さんをしてくれてありがとうございます!

――では最後にお互いの見どころも教えてもらえますか。

醍醐:麻璃央くんは表情も豊かだし、緩急もすごいし、お芝居が上手というかすごかったです。あとは声がすごく良い(笑)。隣でしゃべっていると、テストの時とかは素で「めっちゃいい声だな」って思って、ボーっとしてしまう瞬間が何回かありました。あの声をぜひ映画館で聞いてみてほしいです(笑)。ホントいい声でした。

黒羽:この作品は虎汰朗くんが演じる黒田鉄平が、本来入るはずではなかった野球部に入ることになってしまって、そこから厳しい先輩や監督、同級生たちと一緒に野球部に染まっていく姿が描かれているので、全部が見どころではあるんですけど、黒田が成長していく姿は特に注目していただきたいですね。キャッチャーというポジションは、普段から人間としてもキャッチャーであれと言われますけど、その部分は見どころだと思います。


劇中では同級生役を演じた醍醐さんと黒羽さんですが、インタビューでは実年齢では7つ上の黒羽さんがリードをし、それにニコニコと笑顔を見せながらついていく醍醐さんの関係性がとても微笑ましかったです。

映画は部活の経験がなくても素直に笑えるし、経験があれば共感や感動を誘う場面もあり、青春映画として楽しめるものになっています。ぜひ劇場でお楽しみください。

作品紹介

映画『野球部に花束を』
2022年8月11日(木)全国ロードショー