津田健次郎が『ONE PIECE FILM RED』から得たもの

津田健次郎 撮影:源賀津己

──今作に参加されたことであらためて感じた『ONE PIECE』の現場ならではの空気感などはありましたか?

津田 基本的にはみなさん本当に和気あいあいとしていて、すごく楽しい現場なんですが、ここぞというとき、「絶対に外せないぞ」みたいな見せ場に差しかかったときの緊張感がすごいんです。「一発でOKを出す以外ないよね」みたいな空気が流れる、そのメリハリが素敵だと今回も思いました。

特に今作は……僕が勝手にそう思っていただけかもしれませんが、最初から劇場版に臨むエネルギーみたいなものがみなぎっていた感じがあったかなと思います。

──メリハリというのは麦わらの一味をはじめ、『ONE PIECE』に出てくるキャラクターたちにも通じるものがありますね。

津田 本当にそうなんですよ。普段はおちゃらけているのに、ここぞというときはビリビリと闘気を放ったり、普段はスカしてるのにいざというときはアツくなったり……根幹のところはみんなアツいので、そこにかっこよさを感じるんでしょうね。

どんなに大ベテランのみなさんでも、全力でお芝居に向かわれる。そうすると、物語自体のエネルギーもどんどん高まっていくので、カタルシスが生まれますよね。

──そういった思いを経て、あらためて『ONE PIECE FILM RED』から津田さんが得たものとは?

津田 「芝居は楽しいぞ」という原点に立ち返ったことですかね。手を抜かずに、真摯にセリフやキャラクター、物語に向かっていく。すごくシンプルな、お芝居の原点みたいなものが収録現場にあったような気がします。そこに身を置いて、あらためて「お芝居ってやっぱりこういうところが楽しいんだ! めっちゃしんどいけどね」っていうことを実感しましたね……しんどければしんどいほど楽しいなあって。

最近、個人的にもお芝居の原点みたいなことをずっと考えていたんですが、『FILM RED』で原点に触れさせていただいてとても幸せでした。最強のスタッフと最強のキャスト陣で、新しい『ONE PIECE』の扉を開いていく。それこそが冒険でもあると思うので、ぜひ劇場に足を運んでいただければと思います。音楽にもすごく力が入っていますので、映画館がライブ会場みたいになるシーンもあると思います。お楽しみください!

『ONE PIECE FILM RED』
8月6日(土)より全国公開

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企画・編集・ライター・インタビュアー。1999年よりスポーツ、カルチャー、アート、メディカルなど、多岐にわたるジャンルにおいて、インタビューを中心に活動する。近年はアニメや声優などが中心。【雑誌】『声優男子。』『CoolVoice』ほか【WEB】『ライブドアニュース』『シネマカフェ』ほか。※アイコンイラスト by JUN OSON