安くて美味しい!忠武路エリアのおすすめ店

【気になる韓国、ソウルの今・忠武路】北方向から見た仁峴市場。右手にハングルで「ジンミネ」と書かれた看板が見える。繁盛店らしく向かいも店舗になっている

この辺りで一杯やるなら、店の外にまでプラスチックの椅子を置いて飲ませている繁盛店に適当に入るのもいいが、飛び込みでは不安という人に安心して飲み食いできる店を教えよう。

忠武路2ギルの東寄り(進陽商街のビル寄り)に北方向に延びる細道がある。昔から日本人の利用が多いホテルPJ(旧・プンジョンホテル)の前まで続く小さな生活市場、仁峴市場(イニョンシジャン)だ。

ここを50メートルくらい行くと、通りの両側に入口が木の引き戸になっている店が見えてくる。これが27年前から営業している「ジンミネ」だ。

この一帯の店はたいてい飾り気がないのだが、「ジンミネ」は内外装を板張りして差別化してあり、余裕と自信が感じられる。韓国の大衆酒場で飲んでみたいが、ディープ過ぎる店はちょっと……という日本の女性もここなら安心だろう。

安心なのは見た目だけではない。働き者で料理上手な女将の作る魚介系のつまみは安くて美味しい。

韓国ではつきだしとしてキムチやナムルが出てくるのは当たり前だが、この店ではスンデ(腸詰)とレバーをふるまってくれる。瓶ビール2本とつまみ1皿で2万ウォンちょっとで済んでしまうのだ。

【気になる韓国、ソウルの今・忠武路】記念写真に収まる「ジンミネ」の女将(左)。6月にビザを取り7月に3年半ぶり訪韓を果たした日本人旅行者と

今の季節ならビョンオ(マナガツオ)やカジャミ(カレイ)がおすすめだ。

【気になる韓国、ソウルの今・忠武路】「ジンミネ」のマナガツオの揚げ焼き

マナガツオなら甘辛く煮たビョンオチョリム、カレイならフライパンで揚げ焼きしたビョンオクイがおすすめだ。

前者にはソジュ、後者にはマッコリが合う。

雑居ビル群が空中歩行路で連結され、さらに注目されるエリアに

【気になる韓国、ソウルの今・忠武路】仁峴市場の北側の入口。ここから入って市場を抜けると忠武路2ギルが横切っている

仁峴市場の東側にそびえる進陽商街ビルから宗廟(ジョンミョ)前の鍾路大通りまで約1キロ連なる雑居ビル群がある。

「世運商街(セウンサンガ)」と呼ばれるこのビル群は最近、空中歩行路で連結され、下町風情のあるエリアを眺めながら散歩が楽しめるようになった。

次回訪韓に備え、「忠武路2ギル」「仁峴市場」とともに記憶しておきたいキーワードだ。

フォトギャラリー立ち飲み屋「トゥンスンネ」の雰囲気を写真でさらに見る
  • かつて宗廟脇にあった立ち飲み屋「トゥンスンネ」。通りに面したカウンターで1000ウォンと引き換えにサッと立ち飲みするスタイルだった。もちろん店内でも立って飲むことができた
  • 移転前は、飲み代だけ払えば食べ放題のつまみが数種類並んでいるだけだったが、新店舗では一品メニューもできた。上からニラのチヂミ6000ウォン、果物5000ウォン、豚肉炒め、イカ炒め、ヌタウナギ、豚カルビ、鴨肉焼き(いずれも1万ウォン)
  • 以前のように店の外にカウンターはない。入口が二重になっていて、入ってすぐのところにあるカウンターに食べ放題のつまみが並んでいる。右から煮干し、大根のキムチ、味噌ダレ、ニンニク、醤油ダレ。栓抜きの隣はチヂミ。つまみの種類は半減したが、物価高、とくに野菜の高騰などを考えるとやむをえないことだろう
  • 右手が「トゥンスンネ」の女将。以前の店とは違いイスとテーブルも置いてあり、純粋な立ち飲み屋とはいえなくなった
  • 移転前の『トゥンスンネ』で常連客とマッコリを楽しむ筆者

チョン・ウンスク 「韓国人と日本人が振り返る韓流20年」オンライン講座開催

日時:10月9日(日)15:30~17:00

語り手 ソウル在住の紀行作家 鄭銀淑(チョン・ウンスク)、韓国関連書籍の企画編集者 山下龍夫

10月9日(日)は、エンタメの話題以外に、日本における食の韓流についてお話します。

詳細は、栄中日文化センターの公式サイトまで。

鄭銀淑:ソウル在住の紀行作家&取材コーディネーター。味と情が両立している食堂や酒場を求め、韓国全土を歩いている。日本からの旅行者の飲み歩きに同行する「ソウル大衆酒場めぐり」を主宰。著書に『美味しい韓国 ほろ酔い紀行』『釜山の人情食堂』『韓国酒場紀行』『マッコルリの旅』など。株式会社キーワード所属。