大胆な骨の断ち方が目を引くウデカルビ(牛大カルビ)

期間限定とはいえ突然ノービザ渡航が可能になり、そわそわしている日本の人も多そうだ。

フォトギャラリー現地ならではの食べ物も!「全州(全羅北道)」の魅力をさらに見る
  • レンタル韓服で記念撮影する旅行者が目立つ全州韓屋マウル。写真の建物は伝統家屋を生かした宿
  • 「キルモクチプ」のポリパプ定食。手前左が麦ごはん、右がテンジャンチゲ。奥がナムル、キムチ、マッコリ
  • ナムルやキムチ、テンジャンチゲをのせた「キルモクチプ」のポリパプ
  • その夜、「夜間飛行」では、アコースティックギターと打楽器のライブが行われた
  • 「キルモクチプ」の住所は、全州市完山区豊南洞1街17-1

今回は、2年半以上の韓国ロスを満たして余りあるダイナミックな肉料理を取り上げよう。

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  • 肋骨に対して水平にカットするのがウデカルビの特徴。逆にLAカルビは骨の断面が見えるようにカットする
  • 頭を空っぽにして、肉片をポイポイ口に入れたくなる
  • いい感じに焼きあがったウデカルビ
  • こういうとき、手際のよい男性はモテる
  • アラフィフには、油っこい霜降り肉より赤身肉がありがたい

牛大(ウデ)って何?

肋骨に対して水平にカットするのがウデカルビの特徴。逆にLAカルビは骨の断面が見えるようにカットする

「今夜のバーベキューはウデを焼くよ」

「ウデって何?」

ソウル郊外にある知人の造形作家の家で飲み会があった。酒と肉、そして音楽が欠かせない楽しい集まりだ。

クラリネットの演奏でいつも会を盛り上げてくれるチョさんが準備してきた肉が、まさにウデカルビだった。

韓国のカルビ(バラ肉)はその出自、部位、かたち、サイズ、調理法、味付けなどによってさまざまな名前が付けられる。

映画『エクストリーム・ジョブ』に名前が出てきた水原カルビ、京畿道の二東カルビ、大ぶりな王カルビ、LAカルビ、冷凍していない肉を使う生カルビ、甘辛い味付けのヤンニョムカルビ、ドゥンカルビ(豚のバックリブ)など。

フォトギャラリー食べごたえありそう♪「LAカルビ」の写真をさらに見る
  • 筆者の母親が作ったLAカルビの蒸し煮
  • LAカルビの専門店。左上に工事中の空中歩行路が見える
  • 筆者の知人宅で、お正月にごちそうになったLAカルビ
  • こちらが普通の骨付きカルビ。同じ骨付き肉でもLAカルビとは切り方が違うことがわかる
  • フライパンで焼かれるLAカルビ。骨の断面が確認できる

この日、私が初めて出合ったウデカルビのウデにはどんな意味があるのだろう?

韓国人や韓国語学習者なら同じ発音の「優待(ウデ)」を思い出すかもしれない。優待カルビ。何かいいことがありそうな名前である。

じつはウデは優待とは無関係で、牛(ウ)と大(デ)をくっつけた造語という説が濃厚だ。しかし、それは大きな牛のことではなく、大胆に切り分けた牛骨を指しているという。

いわば、特大骨付きカルビである。

骨を持ってかぶりつきたい!

ホットプレートの上に長さ30センチはありそうな骨付きカルビ4本がのせられた。骨づたいにたっぷり肉が付いている。塩とコショウをふって焼く。煙が上がる。匂いだけで一杯やれそうだ。

我が国では両手でつかんで骨から肉をこそぐように食べることをハモニカ・カルビというが、ウデカルビは巨大ハモニカ・カルビともいえる。

両手で骨を持ってレアな肉にむしゃぶりつく。旨い。今夜のメンバーはアラフィフが中心。霜降りをありがたがる時期は過ぎているので、肉は赤身が多いタイプだ。噛み味がいい。肉を食べるというのはこういうことだ。ハモニカという食べ方がそれを思い出させてくれる。

血のしたたる肉にかじりついている私を見かねたのか、チョさんがトングとハサミで骨から肉を外し、食べやすく切り分けてくれた。

酒といっしょに楽しむならこのほうがいい。久しぶりにウイスキーオンザロックを合わせてみた。幸せだ。

こういうとき、手際のよい男性はモテる

韓国ではウデカルビのような特大骨付き肉のことをマナコギ(マンガ肉)と呼ぶ。

アニメやマンガに出てくる誇張して描かれた骨付き肉を想起させるからだ。私の事務所の代表(日本人)に聞いたら、日本では『はじめ人間ギャートルズ』というアニメによく登場したという。