二人で一緒に乗り越えられたことに「すごく良かったね」と言いたい

撮影/小嶋文子

――完成作を観て、「ここは注目して観てほしい」というお互いの出演シーンを紹介してもらえますか。

永野:奈緒ちゃんが出ているシーンは全部私もいるんですけど(笑)、これがあったから今のマリコとシイノの関係性が出来たんだなってわかる回想シーンですかね。

二人ともまだ学生で制服を着ているところなんですけど、教室でマリコがシイノに「私のことを見て」って一生懸命に伝えるんですね。

マリコがシイノのことをすごく必要としていることがわかって、演じながら心が痛く感じることもあったんですけど、そこはすごく奈緒ちゃんがマリコとして生きていると感じられて、私自身、好きなシーンです。

奈緒:私はやっぱりラストシーンです。この映画は、最後にシイノがどこにたどり着くのかを描いていると思うし、私自身、そのたどり着いた先にすごく希望を感じたんです。あのラストシーンはきっと映画を観てくださった皆さんには届くと信じています。

撮影/小嶋文子
撮影/小嶋文子

――この作品を二人で乗り越えた今、お互いに伝えたいことはありますか。

永野:完成作は一緒に観ることができたんですけど、撮影当時の記憶が一気に蘇ってきて。監督、スタッフさんたちの頑張りもあってめちゃくちゃいい映画になっていたから、「これに出られて良かったね」「一緒に出られて良かったね」というような言葉は掛け合いました。

私たちのまた新たな挑戦作になっていると思うので、それを二人で一緒に乗り越えられたことに「すごく良かったね」と言いたいです。

奈緒:本当にそうだね。私も芽郁ちゃんがシイちゃんで良かった、ありがとうって言いたいです。この物語の先頭に立って走っていたのはシイちゃんで、その役を芽郁ちゃんがやってくれたから、みんなの想いが詰まった作品として完成したのだと思います。

試写の時、そのパワーをスクリーンから感じたので、きっとたくさんの方に届くと思いますし、そう思わせてくれた芽郁ちゃんに「本当にありがとう」と伝えたいです。


お話を聞いていて、仲の良い友達であるだけでなく、お互いに対する信頼が言葉の端々から滲み、お二人がとても素敵な関係性であることが伝わってきました。

劇中では普段のお二人の柔らかな雰囲気からは想像もつかない、刹那的で殺伐とした場面もありますが、それさえも愛おしいと感じられたのはお二人のこの関係があったからだと、改めて感じました。永野さんと奈緒さんだからこそ表現できたシイノとマリコから、さまざまな感情を受け取ってもらえたらと思います。

作品紹介

映画『マイ・ブロークン・マリコ』
2022年9月30日(金)全国ロードショー