撮影/小嶋文子

ある日、テレビのニュースで親友のマリコが亡くなったことを知ったシイノは、マリコを虐待してきた父親から遺骨を強奪して旅に出る――果たしてシイノが辿り着く先とは?

連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK)での共演以来、実生活でも親友という永野芽郁と奈緒が、歪ではあるものの愛おしさを感じさせる友人関係を表現した映画『マイ・ブロークン・マリコ』が9月30日より公開となる。

タバコをふかし、荒っぽい言葉遣いで親友のマリコを“ダチ”と呼ぶシイノを演じる永野。父親からの虐待を受け、シイノのことを強烈に求めながらも、男性に依存し自らを見失ってしまうマリコを演じる奈緒。二人にとって「一緒に挑戦しよう」と誓い合って挑んだ本作について振り返ってくれた。

また友人同士だからこそのエピソードや、お互いに大切にしているもの、自分を大切にするためのストレス発散法なども教えてくれた。

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二人だからこそできるものが生まれるんじゃないか

撮影/小嶋文子

――お二人は、2018年放送の朝ドラ『半分、青い。』で幼なじみ役を演じて以来の共演となりますね。

永野:『半分、青い。』が終わってからも交流は続いていたので、お互いに今回のお話が来た時は「どう?」っていう話もしました。

親友役をまた演じられるということで「すごく縁があるね」と話しつつ、前回とは全然タイプの違う間柄でもあったので、そこでも私たちを求めてくださる人たちがいるという嬉しさもあり、だからこそ、その想いに全力で一緒に応えていきたいという気持ちでした。

奈緒:私はまた芽郁ちゃんとお芝居をして長い時間を共に過ごせたらいいなとずっと思っていて、個人的にこのお仕事を続けるうえでの一つの目標のようなものにもなっていたので、それがこんなに近い間柄の役で叶ったことがすごく嬉しかったです。

それから、シイノという役を芽郁ちゃんがやること自体にもワクワクしましたし、その側に自分がいられることが光栄でした。お話を聞いた時は、「二人だからこそできるものが生まれるんじゃないか」と思いました。

撮影/小嶋文子

――最初に共演を知った時は、具体的にどんなやり取りをしたのですか。

永野:私がお話をいただいた時には、「マリコ役は奈緒さんにお願いしたいと思っています」というところまで聞いて。ただいくら仲が良くてもお仕事で、お互いにそれって相手に言っていいかがわからない状況だったので、何となく探り合っていて(笑)。

奈緒:そうそうそう(笑)。

永野:「これって知ってる?」。

奈緒:「もしかしたら来た? 聞いてる?」って。

永野:そんなふうに探り合ってはいたんですけど、奈緒ちゃんにとってもこのマリコという役は難しいですし、いろんな葛藤もあって、私自身もシイノをやることには葛藤があったから、お互いに「どうしようかな?」と。

でも結果的に「私たちなら大丈夫だよね」という確認をしあって、「一緒に挑戦しよう」という気持ちになりました。

奈緒:最初から一緒に手をつないで飛び込んだ感覚がすごくありました。