誰かを愛する以上、絶対誰かしらは傷つくんだろうと思う

撮影/奥田耕平

――板垣さんはラブストーリーって好きですか?

ラブストーリーの中にもいろいろ種類があるじゃないですか。その中で言うと、それを果たしてラブストーリーと呼んでいいのかみたいなラブストーリーは好きです。単純な恋愛だけじゃなくて、人間のいろんな業が入り乱れたようなディープなラブストーリーが。

――それは、たとえば具体的な作品で言うと?

最近だと映画『流浪の月』とか。それはラブなの? どうなの? みたいな。王道のラブコメよりも、一言で言い表せない人間の感情を描いているものに惹かれます。

――では、このドラマで描かれている愛の中で最も尊く感じるのはどんなところですか。

やっぱり年月が経っても紬が想のことを忘れずに想い続けているところが尊いですね。しかも、再会して、いろいろと状況が変わっていても、紬は突き進んでいく。何があっても変わることのない一途さはすごく尊いなと感じました。

――でもそうやって一途に人を愛することで、他の誰かを傷つけることもあるのが恋愛の難しさです。

そこはもう必然なのかなとは思います。やっぱり想いが叶う人もいれば、そうでない人もいて。誰かを愛する以上、絶対誰かしらは傷つくんだろうなと思いました。

撮影/奥田耕平

――傷ついても誰かを愛したいという気持ちはわかりますか。

僕はできるだけ傷つくことを避けたいタイプなんですよ(笑)。実際、避けて生きてきたので、どうですかね……。でも、もはやそこまでなっている状態って、ちょっと自己陶酔が入ってる気もするんですよね。確かに傷ついてはいるんだろうけど、それでも愛してる自分を好きになっているというか。可哀相な自分に酔ってそうな感じはします。

――結構冷静な視点で見てますね。

そうなんです。そういう目で見ちゃうんですよ(笑)。

――変わらない愛はあると思いますか。

それはあるんじゃないですかね。僕も、物に対してですけど、幼稚園ぐらいの頃からずっと絵とか好きですし。そういう変わらないものは絶対あると思います。