『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』 ©2023 20th Century Studios.

映画の冒頭でタイタニック号が沈む過程がアニメーションで説明され、年齢を重ねたローズは登場するが、その隣にジャックはいない。

しかし、本作のポイントはそこではない。キャメロン監督はこう語る。

「重要なのは、船が沈むかどうかではなく、沈没する船の乗客にどこまで共感できるかだ」

本作はこの点で大きな成功をおさめたのだろう。本作の描く物語はシンプルだが、そこで描かれるキャラクターや感情の変化、極限状態であらわになる人間性、何があっても生きることを諦めない人々の姿は普遍的な魅力がある。

もちろん今回の再上映のヒットには、上映環境の変化や、世代の移り変わり、公開されたタイミングなど外的な要因も大きいのかもしれない。

しかし、名作は時を経ても愛され続け、新しい観客や、かつて映画館に行った観客を再び魅了する力がある、そう思えたことは、映画ファンにとって最高のニュースと言えるのではないだろうか。

『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』
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