Hey! Say! JUMPの中島裕翔が主演を務める映画『#マンホール』が、2月10日(金)より公開。
結婚式前夜、幸せの絶頂から一転、マンホールの中に転落してしまった中島が演じるハイスペックなサラリーマンの川村俊介が、“2分に1度”の頻度で襲い掛かるピンチにどう立ち向かっていくのかが描かれる。
99分の上映時間のほとんどが、暗いマンホールの中でさまざまな恐怖と戦う中島の姿のみという、役者としての力量が試される作品。普段はアイドルとして爽やかな笑顔を振りまく彼の変貌ぶりは、観る側の恐怖感を煽り、この特殊なシチュエーションに引き込むというより、引きずり込まれるという感覚すら覚える。
アイドルであるからこそ「両方を引き立たせることができる」と強く語った中島の役者としての心髄を、このインタビューから感じ取ってほしい。
役として生きることが結果的に今まで見せたことのない“中島裕翔”を見せられる
――とても大変な役に挑戦されたと思うのですが、出演オファーを受けたときはどのような印象がありましたか。
物語が後半になるに連れて人間の本能がむき出しになっていくのですが、そういう役を一度やってみたいという願望が以前からあったので、「ぜひ、やりたいです」と即OKのお返事をさせてもらいました。
もちろん大変そうだなとは思ったんですけど、絶対にやる価値はあると思ったし、挑戦できることは楽しそうだなと。最初は楽観的に考えていた部分もあったんですよね(笑)。
それから、オリジナル脚本の作品に挑戦できることへのやりがいも感じました。時代の流れというか、仕組み上というか、オリジナル脚本の作品を作ることが難しくなっている中で、そこに挑める貴重さと、一から自分で役を作っていけるという楽しみがありました。
脚本を読んでいても(本作のキャッチコピーにもなっている)2分に1度くらいの頻度で驚いて。「また何か嫌なことが起こるのか」みたいな(笑)。その連続でどんどん読み進めることができて本当に面白かったです。
さらに現場でその面白さが増幅されて。脚本の岡田(道尚)さんも撮影現場に来てセットとかを見て「すごく楽しみです」とおっしゃってくださったのですが、皆さんの力でより面白いものにできたんじゃないかと思っています。
――脚本は中島さんが演じることを想定して書かれたものだそうですね。中島さんのキャラクターに合わせたというよりは、「こんな中島さんを見てみたい」という制作側の想いが反映されているように感じました。
第一に、僕のことを考えて書いていただけたことにこの上ない喜びを覚えました。「こんなことがあっていいんだろうか!」と。その上で、おっしゃってくださったように、こういう自分を見せたいと思ってくださっているんだなと感じました。
ただその想いとは別に、僕がしっかりとこの役として生きることが結果的に今まで見せたことのない“中島裕翔”を見せられるんじゃないかと思ったんです。なので自分から、こういう自分を見せにいこうというようなことはしていないです。
――川村というキャラクターは、改めて考えるとすごく頭がいいし、生命力が強いし、他人を利用する図太さもある人ですよね。
そうなんです。使えるものは何でも利用するし、計算高いし、利己的だし。けど、そういう部分って普段は理性で抑えているけど、多くの人が持っているものでもあると思うんです。
そのありのままの人間の本能のようなものが出てくるのが、この作品の面白さの一つだと思ったので、ちょっとゲスい考えを持ちながら挑みました(笑)。
ただ後々、少し冷静になってみると、川村はシンプルにかわいそうだなとは思いましたね。自分が演じているんだけど他人事のように感じることがありました。
――冒頭、川村はハイスペックで爽やかですが、そこからマンホールに落ちて、醜い部分をさらしていきます。
なんとなく、川村の要素は自分の中にもあるんだなと思って演じていました。
SNSを駆使してなんとかしようとする場面とかは特に顕著で。匿名だからこその無責任な発言や、集団心理みたいなものが見える部分は、すごく嫌だなと思いつつもリアルだなと感じていました。
またそれに煽られる川村も、自分と同じ意見ばかり目についてしまうとか、どんどん疑心暗鬼になるとこがリアルで。自分が嫌だと感じることを考えて、それを川村としてやればいいんだと思っていました。