アイドルの自分は全部捨てた

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――本作を通して俳優として醍醐味を感じたことはありますか。

映画に出演するのが久々で、しかもオリジナル脚本で、とても恵まれた環境で、ぜいたくだなと思いました。この作品を作れていることに喜びを感じていました。

もちろん大変なこともあったんですけど、それにチャレンジすることすら楽しく思える現場でした。とてもありがたく貴重な経験をさせていただきました。

邦画としては珍しいジャンルで、この世界観だからこそ、出せた自分がいると思います。僕のファンの方だけでなく、多くの方に観ていただける作品になっていると思います。アイドルの自分は全部捨てたので(笑)。

――そういう意味で、アイドルのときの自分とのギャップに悩むことはなかったですか。

ギャップがあるからこそ両方を引き立たせることができるというのが僕の考えで。こっちで明るくしておくからこそ、こっちで思い切り暗くできるので、中途半端ではなくなると思うんです。この切り替えについては、今回に限らずいろんな場面で思うことはあります。

――本作にはこれまでの邦画の枠からはみ出るようなチャレンジを感じました。

僕はもともと洋画も好きで、今回のようなシチュエーションものも好きでよく観ているんですけど、邦画ではあまり見ないですよね。1シチュエーションで見せていくことは、チャレンジであり、難儀でもあり、だからこそやってみる価値があると思いました。

そして、それをうまく形にしたいという気持ちがみんなの中にあったからこそ、マンホールのセットがすごくリアリティを持って作られていて、誰が見ても嫌な気持ちになるし、映画を観ていて没入感を持てるものになったとも思います。

この映画を通して、こういうジャンルもあると知ってもらえて、邦画でももっと増えていくといいですよね。

僕自身、また一つ新しいジャンルに踏み込めたという嬉しさもあります。同じ事務所の方でもこういうものをやっている人は見たことなかったので、エンターテイナーとして、その一人になれたことを良かったと思っています。