撮影/小嶋文子

グローバルボーイズグループJO1のメンバーとして活動する白岩瑠姫と、久間田琳加がW主演を務める映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』が絶賛公開中だ。

学校ではマスクを付けていて、周囲の空気ばかりを読んでしまう優等生の茜(久間田)と、そんな茜とは正反対で、自由奔放で絵を描くことを愛する銀髪のクラスメイト・青磁(白岩)が、次第に距離を縮めていく様を描くラブストーリー。

白岩は、演技経験は少ないものの、今回、映画初出演にして初主演という大役に抜擢。不慣れな部分もあったと言うが、演じた青磁とは自分と重なる部分も多く、‟演じる“ということを気負わないようにしていたという。その意識のせいなのか、白岩が演じた青磁は、青磁というキャラクターを体現しつつも、白岩瑠姫という人が持つ魅力も重なる。

本作を通して感じたことを、白岩にたっぷりと語ってもらった。

自分から「俺、映画決まったよ」とは、誰にも言っていない

撮影/小嶋文子

――まずは深川青磁というキャラクターを演じてみた感想から教えてもらえますか。

僕は演技自体、『ショート・プログラム』(JO1のメンバーそれぞれが主役を務めた短編作品集)というドラマ以来で、ほぼ初めてに近かったので、役作りとか、演技について詳しいことがわからなかったんです。

だから現場でいろいろ経験を重ねていく中で、共演者の方たちから学んで、全部吸収するくらいの勢いでやってやろうと思っていました。

青磁という役に関しては原作を読ませていただいた時点から自分との共通点が多くて、似ているなと感じていました。そういう意味では演じやすかったというか、力を抜いて自然体でいることをイメージしながらやっていました。

――具体的に共通点とは?

原作に外見についての説明が書かれていて、そこも似ている部分ではあるんですけど、一番は青磁の考え方とかの中身の部分です。「クサいな(笑)」と思うようなセリフも結構あるけど、それも僕が普段生きていくなかで感じていることと重なって、本心に近いこともありました。

「人生一度きりしかない」とか、「やりたいことをやったほうがいい」「言いたいことを言ったほうがいい」とか。僕もライブのMCで「このステージが、自分の人生の最後になってもいいように」ってよく言うんですけど、そういうところが青磁とは考え方が似ていました。なので“演じる”ということを気負わずにやろうと。

撮影/小嶋文子

――青磁はある大きな想いを抱えていて、それを周りには隠しているという一面もありますが、その気持ちは理解できましたか。

JO1が結成されて4年目になるんですけど、僕、メンバーに相談って一切したことがなくて。だからそういう部分の青磁の気持ちも、すごくわかるなと思っていました。別に隠しているわけではないんです。けど一人で抱え込んでしまうのはわかるなと。

――なぜ相談をしないのですか。

そもそも人に相談をしても、結局、自分自身が変わらなければ状況は何も変わらないという考え方もありますし、年下のメンバーのほうが多いので、下の子に気を使わせて負担をかけることはなるべくしたくないという気持ちはあります。

上の2人(與那城奨、川尻蓮)は、普段からチームのことをすごく考えてくれているので、そこにも負担をかけたくないとも思うし。なので一人で解決するか、メンバー以外の仲のいい人に聞いてもらいながら解決方法を探るか。そうやって思い返してみると、僕もあんまり相談するタイプではないんだなって思いました(苦笑)。

――本作への出演が決まったときはメンバーにはどのように知らせたのですか。

それも言ってないんです。たぶんメンバーたちはスタッフさんから聞いたか、みんなで共有しているスケジュールに“白岩 映画撮影”って入っているのを見て知ったか、どちらかだと思います(笑)。自分から「俺、映画決まったよ」とは、誰にも言っていないので。

――そうすると、他のメンバーはどこかから情報を入手して話しかけてくるみたいな?

そうです(笑)。聞かれたらもちろん話はするんですけどね。それに、ちょうどその時期は他のメンバーも各々、『ヒロシ(豆原一成出演『超人間要塞ヒロシ戦記』)』とか、『ブルーバースデー(鶴房汐恩主演)』とか、『しょも恋(木全翔也出演『しょうもない僕らの恋愛論』)』とか、『クールドジ男子(川西拓実主演)』の稼働時期でもあったから、あまり不思議がってはいなかったと思います。

©2023『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会

――本作はJO1が主題歌「Gradation」を担当するということで、ご自分が主演する映画で主題歌も担当するというのはいかがでしたか。

すごくうれしかったですね。もともと今回のような学生役を演じてみたいとは思っていたんですけど、日々、演技レッスンをしているとかではなかったので、夢の話かなって思っていたんです。

だけどこういうお話をいただけて、それも主演ということですごくうれしかったのに、撮影をしていく中で「主題歌もJO1がやる」と聞いたときは、本当にうれしい限りでした。

――主題歌に対してのメンバーの反応は?

メンバーが主演を務めた映画の主題歌になるということ自体が、JO1にとって初めてのことなので、みんなすごく喜んでくれました。僕もそうなんですけど、「『Gradation』が今までのJO1の曲の中で一番好き」って言ってくれるメンバーも何人かいて、そういう話を聞くとすごくうれしいですね。

――映画の内容ととてもリンクしている楽曲ですよね。

歌詞とか、世界観とか、「本当にこの映画のために作られたんだな」って、レコーディングをしながら感じていました。歌詞の中に青磁や茜(久間田琳加)の要素が入っていて、とにかくうれしかったです。

撮影を終えたあとにレコーディングをしたので、僕はすべての内容を知っている状況だから「これが映画館で最後に流れるんだ……」って思ったり。予告にも使われているんですけど、それを見ても「めちゃめちゃ合う!」って(笑)。

もちろん「Gradation」という曲を聴いてもらえるのはうれしいんですけど、映画を観てから聴くとより違った良さもあると思うので、ぜひ映画も観てほしいです。