「投資家目線」を持って、奨学金制度の本質をとらえよう

では、「投資家」の目線を持つと、奨学金はどのように見えるでしょうか。

奨学金の「お金」という部分にだけ着目すれば、「破格の低金利で定期・定額で貸してくれ、なおかつ事実上、資金を使用する用途も制限されていない、超優良・有利な資金調達ができる」なかなか他にはない魅力的な制度です。

さらに、本来の奨学金制度の理念を確認しておきましょう。日本学生支援機構のHPには、このようにあります。

憲法、教育基本法に定める「教育の機会均等」の理念のもと、経済的理由で修学が困難な優れた学生等に学資の貸与及び給付を行っています。

言い換えれば日本国は、「貧乏が理由で高等教育を受けられない国民が出るのは、国の損失である可能性が高い」「優秀な学生への教育投資は、費用対効果が高い傾向にある」
と認識しているということです。

これらを重ね合わせれば、奨学金とは国などが補助することで超低金利を実現した、国家の未来を担う優秀な若者の人的を拡資産を拡大させるための「投資資金」とまとめられるでしょう。

そして子どもたちが自分の『人的資産』に投資をすることで、より豊かな人生を送り、それをもってさらに良い社会を作り上げていくための原資であると定義しています。