「少しくらい血圧が高くても大丈夫だろう」と思っていませんか?
高血圧は、さまざまな病気のもと。早めに対処して、大きな病気につながらないようにすることが大切です。
今回は、高血圧の基準や原因、気をつけるべきポイントなどをご紹介します。
高血圧の基準とは?
高血圧の基準値は定期的に見直されており、今は世界的に「140/90」とされています。
最高血圧が140(mmHg)以上、または最低血圧が90(mmHg)以上であれば高血圧です。ご家庭で測定する家庭血圧については「135/85」までと、さらに低い値が設定されています。
高血圧自体には、目立った自覚症状がありません。そのため、「忙しいし、受診しなくてもいいか」「次の健康診断でも高血圧だったら受診しよう」と受診を先延ばしにしてしまう人がとても多いです。
しかし、高血圧を放っておくと動脈硬化が進み、脳梗塞や心筋梗塞などの大きな病気につながるほか、腎臓にもダメージを与えてしまいます。
将来、健康で過ごす時間を長くするためには、早めに高血圧を予防・治療することが大切です。
子育て中の女性に多い高血圧の原因
子育て世代の女性に多い高血圧の原因として、代表的なものを3つご紹介します。
1.妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群は、妊娠中だけの問題ではありません。妊娠高血圧症候群と診断された女性のうち、約30%は2年以内に高血圧を発症することがわかっています。
妊娠の早い段階から妊娠高血圧症候群と診断されていた人、重症といわれていた人、妊娠高血圧腎症にまで進展した人などは、産後もしばらくは血圧に注意が必要です。また、このような人は、次の妊娠の際にも妊娠高血圧症候群を引き起こす可能性が高くなります。
産後は赤ちゃんのお世話で自分のケアにまでなかなか手が回らないかもしれませんが、血圧に気をつけておきましょう。
2.甲状腺機能異常
甲状腺の機能が正常よりも高まる甲状腺機能亢進症やバセドウ病では、血圧が高くなることがあります。
血圧以外に、以下のような自覚症状がある場合は受診を考えましょう。
・さほど暑くないのに汗をかく
・動悸がする
・ダイエットをしていないのに痩せる
・疲れやすい
・月経不順
甲状腺の病気は、20〜40代の女性に発症することが多いといわれています。
3.更年期
女性の場合、高血圧の原因のひとつとして更年期が考えられます。
更年期になりエストロゲンの分泌量が減ると、血管の弾力性が落ちて動脈硬化が進行し高血圧になりやすくなります。また、更年期には男性ホルモンが相対的に増えるので、交感神経が活発になり血圧が上がります。
更年期に伴う高血圧も一時的なものではありません。放置していると高血圧がどんどん進行し、さまざまな病気のリスクとなりえます。