「いつかバレる!」と確信して…

そんな結婚生活が息苦しくて元彼はAさんに連絡をしてきたわけですが、なかを見れば奥さんの監視とも言えるやり方に従いながら彼なりの「対策」で、不倫を隠している状態です。

けれど、タップひとつですべてが知られる状況には変わらず、「想像以上に“ヤバい“と思いました」とAさんは暗い表情で言います。

その電話を切ったあと、Aさんの頭に浮かんだのは「どうやって安全に逃げるか」で、二度と元彼とは寝ないし会うこともしない、とはっきり思ったそうです。

「責められても仕方ないのですが、そのときはもう保身しか考えてなかったです。不倫を決めたのは私で、もちろん悪いのは理解しています。

でも、こんな人と関係を続けていたら、いずれバレて大問題になるのはわかりきっていました」

自分の「やり方」にまったく疑問を持っていない彼、それにAさんが合わせることを当たり前のように考えていた姿にも、「ついていけない」と思ったそう。

「彼とは次の日も普通に会話して、その次の日に『仕事が忙しいからしばらく会えない』とメッセージを送りました。

彼からは『寂しい』『何とかならない?』と立て続けに返事が来たのですが、『仕事に集中したいから』と返して全部断りました。

できればその場でトーク画面の削除をお願いしたかったのですが、さすがにそこまで言うと逃げる気だと感づかれるかもしれなくて、かなり慎重でしたね……」

彼の「追撃」を何とかかわしたAさんは、その後は元彼からどんなメッセージが届いても未読スルーで通します。

「着信はブロックしたのですが、LINEについては彼が何をしてくるかが怖くてできませんでした。メッセージの内容はすぐに追えなくなるけれど、いつまで彼から接触があるかは知っておきたかったです」

Aさんの既読がつかなくなって2日後、彼からは音沙汰がなくなります。

「どうして自分が切られたか、彼はわかっていないかもしれません。別れるならちゃんと話したほうがいいとは思うけれど、不倫だとそれができないこともある、と思いました。

彼には申し訳ない気持ちがありますが、やっぱり不倫は無理です。バレたときの恐怖って、身近にならないとわからないものですね……」

彼のLINEで自分とのトーク画面がどうなったのかは不明ですが、会う気がないとわかったのなら非表示なりブロックなりはするかもしれず、今はひたすら奥さんが自分の存在に気が付かないことを願うのが、Aさんの状態です。

配偶者がいて家庭を持ちながら、別の異性と肉体関係を楽しむ不倫は、家族に嘘をつくことが当たり前になります。

LINEの名前を変更しようと、確認のしようがない残業を家を空ける理由にしても、おかしなことをしていればどこかで無理が出て、その違和感に気がつく配偶者も大勢います。

「正常ではない状態を続ける」のが不倫であり、今回のケースは特に配偶者の束縛の激しさが目立ちますが、こんな監視の目をかいくぐって会い続けることが果たして可能なのかは大きな疑問です。

そして、相手の結婚生活がどんな状況であれ、不倫はそもそもまともな関係ではありません。

どんな手を打とうと、相手の配偶者にバレてしまえば失うものが大きいリスクは避けられません。

それを肝に銘じ、不毛な関係には最初から踏み込まない勇気が、自分を救うといえます。