静かな詩と暗い絵で描かれる《眠りと目覚めの間の世界》
クレヨンハウスの店員さんにおすすめしてもらった二冊目の絵本は、ほるぷ出版から発行されている『終わらない夜』です。カナダの画家、ロブ・ゴンサルヴェスの16枚の絵とセーラ・L・トムソンの詩で構成されたこの絵本は、《眠りと目覚めの間の世界》を題材とした想像力をかき立てる内容となっています。
書店員さん曰く、「とにかく絵が不気味なんです」「幽霊なのか何なのかも分からない得体の知れないものが登場するので、お子様には怖すぎるかも……」とのこと。
実際に読んでみると、分かりやすいホラー映画のような怖さはありませんが、静かな言葉と暗い色調の絵が不気味な雰囲気を醸し出しています……。
ここで、この絵本の怖さが伝わってくる詩を一部引用してみます。
《想像してごらん……
夜、雪のシーツが
かたく、冷たい。
だれかささやく。
「ついてきて」》《夜、月の光にうきあがる
物のかたち、人のすがた。
うしろをみると
だれかいる。》
……ちょいちょい出てくる「だれか」って誰なんでしょうか!? そんなことを考えながら読んでいると、静かな怖さがゾワゾワと背中を伝います。詩の内容は小さい子どもには少し難しいかもしれませんが、絵は十分に怖すぎるので読み聞かせた後は、しばらく夜のトイレに付き添うことになりそうです(笑)。
個人的な感想として、この絵本は怖いもの好きな大人が読むと楽しめそうだと感じました。
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