ああ…、本当にそうですね。
取材は、連載スタートした当初から、毎月1回ありましたよね。「ミラチャイ」の取材で、その月にあったことを話すので、いつも1カ月間の「おさらい」をしているみたいでした。
こうして一覧を見ると、そのときのことを思い出します。「ああ! この言葉、言った、言った! 」って。
ーー本当にどの回も記憶に新しいです。これから最終回に向けて、200回を超える連載を振り返っていきたいと思います。記憶力との勝負ですね。
任せてください! 記憶力はすごくいい方なので!! 連載が再開したのは2016年7月からだから、もちろんその時どきの感情もすごく覚えてますよ。
ーーさすが佐江ちゃん! 連載が3カ月のお休みを経て再開したのは、ちょうど、『王家の紋章』初演のお稽古がスタートして間もない頃だったんですよね。(第1回前編)(第1回後編)
そうですね。
(当時の取材で言った言葉を見ながら)
『王家の紋章』初演も再演も、キツかった。本当にキツかった!
でも今思うと、キツかったのは、何も知らない状態でミュージカル界に「ポンッ」と飛び込んだから、というのが一番大きかったと思います。あと、「キツい、キツい」って、自分で勝手に思い込んでいたところもあったと思うんです。
『王家の紋章』に出演後、いろんな作品に出させていただいて。今また、自分の「ホーム」…、というと過言ではありますが、地球ゴージャスに2度目に戻って来られて。改めて『王家の紋章』の頃を振り返れるようになりました。
今回の『ZEROTOPIA』の舞台で、「やっていてよかった」と思うことがあるんですよ。
それは、『王家の紋章』で新妻聖子さんとWキャストで組ませていただけたこと。そして、同じくWキャストだった、イズミル役のマモ(宮野真守)さんと、(平方)元基さんのふたりを、客観的に見ていたことが本当によかったなって。
マモさんは声優さんで、元基さんは役者さん。マモさんの声優のお仕事が大変なスケジュールだったところを、ふたりでカバーしあって、すごくいい関係性を作っていたんです。
ふたりのそういう関係性を見ていたから、今、Wキャストで組んでいる花澤香菜ちゃんの声優のお仕事の忙しさも、すごく理解できるんです。
そして、聖子さんとのWキャストで勉強になったことを、今、ようやく『ZEROTOPIA』で生かせてるなって感じてます。生かせてる…、というか、あのときの聖子さんと私の関係性が、『ZEROTOPIA』では逆になっているというか。
舞台のことを知らないできた香菜ちゃんと、いくつか舞台を踏んでいる私。役をありのままで生きる香菜ちゃんと、役づくりをして演じる私。その関係性が、『王家の紋章』のときとは、逆になっているなって思うんです。
『王家の紋章』では、私はありのままでキャロルを生きてたけど、聖子さんは役づくりをしていて、それを私はすごく間近で見ていて。もちろん、聖子さんは大ベテランの方だから、自分と一緒にしてはいけないのだけど。
“ああ、二度とあのときには戻れないんだ”って、今すごく感じてます。
ーーあの頃、とくに連載が再開した初回の取材では、佐江ちゃんのかなりヘコんでいる様子も、ミラチャイスタッフは目の当たりにしました。
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