そうですね。
今は、『王家の紋章』が卒業後の最初の作品でよかったと思っています。その後、他の作品をやるときも、だいぶ楽になりました。
今は『ZEROTOPIA』の地方公演が始まっていて。
私が出るのは、もうあと10回しかないんです(編集部註:取材日は6/4)。10回になった今になって、いろんな舞台でWキャストを演じる経験のある役者さんたちに、聞いてみたくなってきました。
ーー??
Wキャストの役者さんたちは、舞台期間中、どういうふうに毎日を過ごしているんだろう?? って。私は、もう大変! すごく。『王家の紋章』のときは、毎日どう過ごしてたんだろう? って、今、思ってます。
Wキャストだと舞台を離れている時間がだいぶあるので、例えば、舞台に立たない日が3日間続くと、「あれ? 私、今、本番中だよね?」って、思っちゃうんです。
だから、Wキャストの経験をもっている役者さんに聞いてみたいんです。
舞台から離れているときは、どうやって毎日を過ごしているんですか? って。Wキャストどころか、トリプルキャストとかクワトロキャストの人は、どうしてるんだろう?
ーー佐江ちゃんが数日間お休みしている間も、他のキャストの方は毎公演、ずっと舞台に立っているわけですからね。
そうですね。今回は、役の「つかみ」の感覚がこれまでと違うというか。何日かお休みして、久々に舞台に立って、「この台詞、今までのなかで一番自然に言えた!」っていう感覚が、いまだに続いています。
『王家の紋章』の再演のとき、大阪公演があったけど、1日お休みがあったときは何をしてたんだろう。たった1年前のことなのに、すごく考えちゃった。
ーー確かに、『王家の紋章』のときには、今、佐江ちゃんが話したような話題はまったく出なかったように思います。
やっぱり…、何というか、プレッシャーがずっと自分のなかにあって、自分自身が重かったというか。再演で、東京公演が終わって大阪へ行ってはじめて、やっと慣れてきたというか。
以前も言ったけど、台本を毎回読まなくても大丈夫になったとか。東京公演のときは、帝国劇場に立つこと、歌うこと、観客の皆さんの評価…すごくプレッシャーに感じていて。
毎公演、幕が上がる前に絶対、ひとりで台本を全部読み直してステージに立たなきゃ怖かったんです。だけど大阪公演が始まって、やっと怖さがなくなって。台本を読み直さずに舞台に臨んでみようという思いが出てきたり。(第24回)
清々しい気持ちで作品に臨めていました。
ーーやはり、あれから経験をかさねて佐江ちゃんが成長したから、「毎日をどう過ごすんだろう」って気になるようになったのでは? 前もそう感じていたかもしれないけれど、その他の課題があり過ぎて、意識がそこにいかなかったとか。
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