『ニンジャバットマン』Batman and all related characters and elements are trademarks of and © DC Comics. © Warner Bros. Japan LLC

「おお!」とうなる、ヴィラン(悪役)の登場のさせ方

しかしながら本作でやっぱり「おお!」とうなってしまうのは、ヴィラン(悪役)の登場のさせ方。

バットマンの人気の秘密は、魅力的なヴィランが多いことですが、本作では各ヴィランが有名な戦国大名になりかわっている、との設定。

ジョーカーが”織田信長”は想定内としても、ジョーカーの恋人ハーレイ・クインを濃姫(信長の正室)ではなく蘭丸(側近)に。
 

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『フラッシュ』のTVドラマにも出てくる天才ゴリラ、グロッドが”猿”だからXXXX.『アロー』のTVドラマや「ジャスティス・リーグ」のクレジットの後に出てきたデスストロークは隻眼だからXXXXと、このマッチングがさすがです。

設定や物語の面白さもさることながら、キャラのデザイン(岡崎能士さん)音楽(菅野裕悟さん)アニメ(神風動画、水崎淳平監督)すべてがハイクオリティで、アニメ映画としても魅入ってしまいました。
 

『ニンジャバットマン』Batman and all related characters and elements are trademarks of and © DC Comics. © Warner Bros. Japan LLC

物語後半にいくにつれ、どのシーンも美しい

アクション物なんですけど、どのシーンも美しいのです。

だからバットマンのことを知らなくても、戦国武将とかの予備知識がなくても、楽しめます。

一方、バットマンの本国アメリカでは「見る前はバットマンと戦国時代しか期待していなかったけど、クレイジーだし、楽しかったよ」といった感想が多かったよう。

さらに「DC映画史上五本の指に入る作品に間違いないし、家族や友達に勧めるべき映画だと思う。絶対観るべきだよ!」(プレスリリースより)との声があがったのもうなずけます。

バットマンやロビン、ヴィランたちが思う存分大暴れして、アニメ映画としても見ごたえのあるビジュアル・エンタテインメント!

加えて外国人が大好きな忍者ですから。

バットマンの歴史に日本人クリエーターが、大きな足跡を残したことを誇りに思います。

日本人でジョーカー役を演じるなら誰がいい?

ところで、前に日本人でジョーカー役を演じるなら誰がいいか?という話になって、僕は迷わず「志村けんさん」と答えたことがあるんです。

あの白ぬりの、バカ殿の狂気ってジョーカーに通じるなあ、って。今回、ジョーカーがまさにそういうキャラで登場!

自分の感性は正しかった、です(笑)。

杉山 すぴ豊●すぎやま すぴ ゆたか。アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画に関するニュースやコラムを様々な媒体や劇場パンフレットで執筆。東京コミコン他アメコミ映画系のイベントのMCも担当。来日したエマ・ストーンに”日本のスパイダーマンね”と言われたことが自慢。映画「サラリーマンNEO 劇場版(笑)」「金メダル男」になぜかカメオ出演。最近の執筆:「Pen+ DC最強読本。」