「夫とは次男を産んでからずっとレスで、私から誘っても『疲れているから』と断られるのが悲しかったです。

ママ友に相談しても『どこもそんなものだよ』『こっそり浮気相手でも作れば?』と言われ、実際に浮気や不倫をしている人もいて、楽しそうには見えるけど私は嫌だなと思っていました。

ネットで検索すると自分と似たような人はたくさんいて、気が付いたのはレスから夫婦仲が冷めていって仮面夫婦になる妻の多さで、『私もきっとこうなる』と思ったら、家政婦のように家事と育児ばかりやっている自分が虚しくなりましたね……。

体験談のなかには離婚に至ったものもあって、『レスが理由で離婚なんて恥ずかしい』と思っていたけれど、問題はそこではなくて夫婦としての信頼や愛情が失われることなんですよね。

私に迫られるのが嫌なのか、夫は同じベッドに入ったらさっさと背中を向けて寝るようになっているし、こんな状態で夫婦を続けていれば心は離れる一方になるのは想像ができました。

でも、いざ離婚を考えるとパート勤めの私の収入ではふたりの子を育てていくのは大変だしと、レスを受け入れてせめて夫婦仲の回復を目指そうと思いました。

改めて『離婚しよう』と思ったのは、夫の言葉。

仕事が忙しくて疲れているとき、夫の好物を作って『体力つけないとね』と食事のときに何気なく言ったら、『そのことしか考えてないの?ちょっと気持ち悪いんだけど』と、ベッドでの時間を期待していると勘違いされました……。

勘違いも、『気持ち悪い』と言われたこともショックで、訂正する気が起こらない自分を見て『もう駄目だ』と思いましたね。

夫はそれがなくても平気なのかもしれないけれど、妻に向かってそんな言葉を吐けること自体、愛情はないと感じます。

レスが原因ではなく、夫婦でいる意味を失った実感が強くて、今は別居に向けて準備をしているところです。妻を小馬鹿にするような人と一緒には暮らせないですよね」(30代/公務員)

配偶者の何気ない一言にはっとするのは、自分がどんな目で見られているかに気が付くから。

こちらのケースでは、妻は「レスについてこだわる自分が恥ずかしい」と繰り返していましたが、レス以上に問題なのは、愛情の確認である機会を持たないばかりか妻の気持ちを軽んじる夫の姿です。

レスは、状況によっては離婚事由にもなりえる深刻な危機。それは、レスから生じるふたりの互いを見る目の変化にあります。

一緒に乗り越える気がない配偶者とは、幸せな今後もないことを、改めて考える必要があります。