ロスとサンフランシスコのあいだに出現する、圧巻の大自然
●ビッグ サー(アメリカ/カリフォルニア)
ビッグ サーはアメリカ西海岸の大都市、ロサンゼルスとサンフランシスコの間のサンフランシスコよりにある、「アメリカの大地と太平洋が出会う場所」といわれているポイントだ。一般的には知られざる地ではあるが、多くの芸術家にも愛されるなど、旅人であれば一度は訪れたい場所である。
ビッグ サーという地名の由来は、海岸沿いに広がる未踏の自然地域が、かつてエル・サー・グランデと呼ばれていたのに由来している。西海岸の二大都市の近くにありながら、これほどの知られざる自然が残されているというのが、アメリカの雄大さを物語っている。
ここの見どころは、非常に変化に富んだ活動的な海岸にせり出した大地と、そこに生える無数に茂る自然の植物、そして目前に迫る太平洋の広大な風景が織りなす、コントラストの違いが生む景色だ。
この絶景を堪能したら、是非ハイキングにも挑戦してみたい。おすすめのハイキングスポットは、ファイファー・ビッグ・サー州立公園であろう。現地でしか見られないアメリカ杉や、オークといった木々で埋め尽くされ、イノシシやラクーンといった野生動物も多く生息している。野鳥のさえずりが、きっとあなたの心の中に新たな境地を生み出してくれるだろう。
ビーチを楽しみたいのであれば、ファイファー・ビーチがおすすめだ。まさしく広大という名にふさわしい息をのむ広さの海岸線が美しく広がる砂浜と、後ろを振り向くと崖が塔のように立ち、特に日暮れ時に目も眩むほどの情景をつくりだすのである。そんな絶景に出会う少しの労力を惜しんではいけないというのが本音だ。
[交通]
成田空港からロサンゼルス・サンフランシスコまで直行便が利用可能(ロサンゼルスまで約10時間、サンフランシスコから約9時間)。ロサンゼルス市内からパシフィック・コースト・ハイウェイ経由で約7時間、サンフランシスコ市内からは約3時間。
神秘的かつカオスな世界! インドのふたつの石窟群
●エローラ/アジャンダー石窟群(インド)
石窟とは人間が自然の岩を掘削した空間のことだ。石窟といえばインド。そのインドが誇る至高の遺産が現代に残されている。インド中央のアウランガーバード近郊に残るふたつの石窟群、エローラ/アジャンダー石窟群だ。
まずはエローラ石窟群。古代三宗教「仏教・ヒンドゥー教・ジャイナ教」の異なった3つの宗教の石窟寺院が一同に会する。約500年にわたり仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教の僧侶たちが幅2キロの崖に僧院、礼拝堂、寺院を彫り上げた歴史的逸品には、観るだけで人々をタイムトリップさせるような圧巻のパワーが秘められている。
エローラには34の石窟があって、それぞれ「仏教窟」、「ヒンドゥー窟」、「ジャイナ教窟」に分かれている。異なる宗教観が共存する神秘的かつカオスな世界を味わうことができるだろう。
もうひとつ、6~10世紀にかけて開窟されたインドで最高の仏教壁画が残るアジャンター石窟。 紀元前200年頃から紀元後650年頃にできたと言われているが、仏教の衰退とともに1800年代に再発見されるまで人類に忘れ去られていたという「時が止まった寺院」である。そのため、時を越えた素晴らしい壁画が残されている。
宗教というと、とっつきにくいイメージがあるだろうが、その荘厳な雰囲気に圧倒されることは間違いない事実である。
[交通]
成田空港からムンバイまで直行便で約11時間、そこからアウランガーバードへの飛行機・電車・バス等が出ている。
いかがだろうか。非日常を体験してみたい、日頃の何か燃え切らない自分を燃やし尽くしたい……そんな人にうってつけのスポットを紹介してみた。ただの旅行ではない「旅」に心ゆくまで身を沈め、気持ちを新たにリフレッシュしてみてはいかがだろうか。
なおこの5ヵ所、すべて成田空港から直行便がでている場所ばかり。旅はまず出発することから平凡な日常が変わるもの。是非お試しあれ。
今回紹介した<ビッグ サー、エローラ/アジャンダー石窟群、バリ島の棚田>を含む、感動の絶景と興奮の体験をパッケージ!
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