「やっと、のびのびと生きられる」
というときに、自分ではどうすることもできない状況によって、フタをされて生きてた感じがあったんです。でも、その環境であっても、のびのびと過ごせなかった自分も悪いのかもしれないけれど。
ーー「48グループのなかで決定があって、自分ではどうにもならない」という状況は、ほかのメンバーも経験し得ることですよね。でも、佐江ちゃんの経験は、それ以上にどうにもならない、どうすることもできない事態でしたからね。
そうですね。
ーー自分ではどうすることもできない状況に置かれて、でも、そこに立ち向かうというよりは、状況を受け入れながらやっていく。そんな佐江ちゃんを見ていて、すごいなと感じてましたよ。
いや、いや、いや…(汗)
当時は、自分が周囲から忘れられた存在に感じられて。あきらめというより、もう、どうしたらいいかわからない状況が毎日続いて。やっぱりあの頃は、一番キツかったです。
ーーそんな日々のなかで、SNH48とAKB48との兼任を発表されましたよね。実はあの発表には、編集者としてとても動揺しました。
武道館で発表されたときですね。
ーーそうですね。「ミラチャイ」は、中国での佐江ちゃんの成長を追うためにスタートした連載でしたから、編集側ではどうにもならない出来事で、連載の方向性が変わってしまうかもしれない、と、初めて悩んだのを覚えています。
あ、思い出してきた。
思い出すと、イライラしてきた(笑)。あの兼任の発表は、全然うれしいと思わなかったことだから。
ーー発表されたときの佐江ちゃんの不服そうな表情。忘れられません。
あの顔は今でも「大正解」だったと思ってます。
「んん??」みたいな顔。脳裏に焼き付いてます。自分、いい顔してたなぁ!(笑)。でも、あの出来事が、ちゃんとその後の総選挙につながってますからね。
ーー本当にそうですね。あのときのように、連載を続けるなかで、佐江ちゃんの状況に、突然大きな動きが起きることが、これまでに何度かありました。
うん、うん。
ーーなので、連載の途中から、佐江ちゃんの発言がいつされたものなのか、編集部註として、「取材日」を入れるようになったんですよ。
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