ザ・ぷー 街角マチコ 撮影:稲澤朝博

0歳児から参加OK!

0歳児を持つ家族の遊びに行く先は、児童館か友だちの家か公園か……せいぜいそんなところではないでしょうか? なかなか、0歳児を連れてレジャー施設に遊びに行こう!となるのは気力がいると思います。

ましてや、劇場など! 夢のまた夢だと思う父母一同も多いんじゃないんでしょうか。それが、0歳児を連れて“劇場で”“音楽イベントに”参加できるチャンスがこの夏あるんです。

それが、KAAT神奈川芸術劇場で開催されるキッズ・サマー・パーティーというイベント。

HPやチラシには「0歳児から参加OK!」のキャッチコピーがデカデカと踊ります。

さらには、「0~1歳児は無料」「劇場でキャンプ体験」……? ますます気になってきました。キッズ・サマー・パーティーとは、どのようなイベントなのでしょうか?

「未就学児は入場不可」という公演が多かった

イベントの企画趣旨は、2011年の劇場開館当初からの理念に基づいているのだという。

KAATでは、毎年『キッズ・プログラム』という夏休みの子ども向けプログラムを開催しており、小さい頃からお芝居や音楽などに触れてもらうための企画で、海外のお芝居を呼んだり、オリジナルのダンス作品を作ったり、さまざまな体験を子どもたちに向けて提供している。

ただ、そんな中でも「未就学児は入場不可」という公演が多く、入れても4歳児から、ましてや0歳児が入れるプログラムはなかった。

「0歳から気軽に劇場に親しんでもらって、いずれ大きくなったらほかのキッズ・プログラムの演劇やダンス作品を楽しんでもらいたい」、という思いから、0歳児から入場 OKのキッズ・サマー・パーティーの構想が立ち上がったそう。

今まで劇場に足を運べなかった層にも気軽に来られるイベントにしたい

もし子連れで劇場に来て、子どもがぐずったときに気にしてしまうのは、演者や劇場側よりもむしろ子どもを連れたお母さんお父さんの方じゃないだろうか?

「他のお客さんに迷惑がかかるんじゃないか」「うるさいんじゃないか」……キッズ・サマー・パーティーはそもそものコンセプトとして“騒いで良い”し“途中で出ても良い”“泣いても良い”。

そういう前提をみんなで共有しているイベントにすることによって、今まで劇場に足を運べなかった層にも気軽に来られるイベントにしたいと、2018年から始まる新企画なのだ。

劇場としてはこのイベントを来年度以降もシリーズ化していきたいそう。

テーマは“キッズ・サマー・パーティin高原キャンプ場”

初年度である今年のテーマは“キッズ・サマー・パーティin高原キャンプ場”。

劇場がキャンプ場になる、ということしか事前には知らされていないのですが、聞くところによるとどうやら高原キャンプ場での夏フェス的なイベントをイメージしているとのこと。

もし子連れで夏フェスに行くとして、炎天下のイベント会場に子どもを長時間連れて行くのは、かなりきびしい。

そんなジレンマを解決するための屋内(劇場)開催であり、屋外ならきびしいだろうベビーカー持ち込みや出入り自由などを実現する。

さらには、普通なら劇場内では飲食禁止のところを、今回は飲み物もOK。

子どもができる前は夏フェスやライブにもたくさん行っていたけれど、子どもができてからはなかなかイベントにも行けなくなった……そんなお母さんやお父さんにも楽しんでもらえる音楽イベントなのだ。

「こどもが気軽に劇場に遊びに来られるイベントができたらいいいね」

今回は、そのイベントの出演者の一人である「ザ・ぷー」の街角マチコさんに、以下イベントのお話を伺った。

―― どのような経緯で、今回キッズ・サマー・パーティに参加されることになったんでしょうか?

マチコ:去年KAATで行われた現代美術のイベントに出演して、そのときに、スタッフの方と「こどもが気軽に劇場に遊びに来られるイベントができたらいいいね」という雑談から盛り上がってこの企画の構想が生まれたのですが……こんな壮大なイベントになるとは思ってもおりませんでした……(笑)。

―― ザ・ぷーさんは今までどのような活動をされてきたのでしょうか?

マチコ:普通に曲を演奏するだけではなく、コントだったり演劇だったりと曲の前フリが必ずあって、そのオチが曲になっている、パフォーマンスを行っています。

ライブと言っても半分くらいは音楽の演奏してない時間があるんです(笑)。

私・街角マチコが、街角マチオにしつこく誘われて結成されたのがザ・ぷーの始まりです(笑)。

そこにマチオの同級生である川島さる太郎と、プロデューサーのSONE太郎が加わって、今の体制となりました。

去年までは「ザ・プーチンズ」という名前で活動していたんですけど、諸々社会情勢的なこともあって改名しまして(笑)、活動の幅を広げて行けたらな、と思っていたところにこのお話をいただき、出演させていただくことになりました。

―― 動画などを観ると、路上やイベント会場など、いろんな場所で活動されていますよね。

マチコ:最初はライブハウスをメインに活動していたんですけど、劇場やカフェ、川原とか……去年はウルトラテクノロジスト“チームラボ”が開催している 「チームラボジャングル」というデジタルアートの会場に楽曲を提供させて頂いたり、皆さんと共同でイベントも開催させて頂きました。

そういう、アートと関わって新しいものを作っていくような……“場所”に合わせた演目を作るのが割と得意なんです、わたしたち。

「川原でやるから今回はこういう仕掛けにしよう」とか、そういうことを考えるのが好きなメンバーが集めっているんですよ。