ハトは3秒歩くと忘れるというのは本当ですか?

小5のこはく君は、友達から「ハトは3秒で物事を忘れてしまう」と聞いたそうですが、もしそれが本当なら、エサを食べたことや巣の場所を忘れて帰れなくなってしまうのではないか、本当かな、と思ったそうです。

回答するのは鳥専門の先生。鳥を専門にしているだけあって、鳥サイドに立った回答を披露してくれます。

先生「こはく君、もしハトの気持ちになって、君がそんなことを言われたのだとしたら、どんな気持ちがするかな?」

こはく君「ちょっと悲しいです」

先生「そうだよね、これは間違いなく悪口ですね、これはただの悪口。その友達がなぜそんなことを言ったのか、聞いてみてください。僕も知りたくてしょうがないです」

後ろで番組の進行をしているアナウンサーの女性が笑っているのが聞こえます。

その後、先生は、ハトには記憶力がちゃんとあることを、伝書鳩の例を出して説明します。

伝書鳩を知らない世代のこはく君に、ていねいに伝書鳩の説明をするのですが、伝書鳩は、同じ場所に帰ってくるだけでなく、鳩舎(ハトが飼われる小屋)の場所を移動させても、ちゃんと戻ってくるのだそうです。

そういったことからハトは、記憶力もあれば判断力もある頭のいい鳥である、と先生。その根拠は他にもあり、訓練されたハトは、ピカソとモネの絵を見分けることができるようになったという論文もあるそうです。

ゾウは鼻に水が入っても鼻がツーンとしないのですか?

この質問をしたのは小1のそうま君。

司会のアナウンサーに、「どうしてそういうことが知りたいと思ったの?」と聞かれ「動物園に行った時、ゾウが鼻から水を吸ってもツーンとしていなかったからです」

おそらくそうま君は、学校のプールの授業の時、鼻に水が入って痛い思いをしたのでしょうね。動物園で不思議そうにゾウを見続けるそうま君の姿が目に浮かぶようです。

先生は、以下のようなことを、そうま君にわかりやすく説明してくれます。

「ゾウも鼻の奥の粘膜があるところまで水を吸ったらツーンとするが、ゾウは10リットルくらいまでの水はツーンとせずに鼻に吸い込むことができる。

吸った水は口に運んで飲んだり、何かにかけたりするが、鼻から水を飲んだりはしない。そんなことをしたら、水が鼻の奥まで行ってしまう。水が鼻の奥に行かないかぎり、ツーンとはしない」

先生たちはきっと、子どもの頃の素朴な疑問を、大人になっても抱き続けて日々研究をしている人たちなのでしょうね。

どんな質問に対しても、きちんと心をこめて回答してくれる姿には頭が下がります。

まとめ

子どもにとって、質問をして正確な答えが返ってくることと同じくらい大事なのが、子どもと同じくらいの真剣さで大人が考えてくれることなのかもしれません。

日頃、子どもからのなんでなんで攻撃に困っているママには、先生たちのあり方は参考になるかもしれません。正確な答えはわからなくても、子どもと一緒に世界を不思議がることはできるのでは?

また、本当に子どもの質問に答えたくても答えられなくて困っているのなら、実際に番組宛に質問を送ってみるのもいいかもしれません。実際に番組放送中に電話をするか、事前にメールで送る方法もあるようです。

今年は7月23日~8月3日(すでに放送終了)、8月23日~31日の平日の午前中に放送されます。まだ聴いたことのない人はぜひ、夏休み後半の番組をぜひ聴いてみてください。

<参照>NHK 夏休み子ども科学電話相談