幼児や小学生の子どもに、スマートフォンやゲーム機(ニンテンドースイッチ、ニンテンドー3DSなど)をやらせていますか? ルールはどうしていますか?
スマホやゲームを与える際に、親からよく聞かれるのが「子どもが、スマホ漬け、ゲーム漬けにならないか心配」との声。
「買い与えていない」や、「1日30分や1時間など、時間制限をしてやらせている」など、各家庭で工夫がなされていますが、いったい、どのようなやり方が正解なのでしょうか。
「無制限にやらせても、スマホ・ゲーム漬けにならない」という、とある家庭の子育て方法を紹介します。
ほどなく飽きて他の楽しみを探しはじめる
我が家には、現在、小学3年生と、小学1年生の子どもがいます。
どちらにも、時間制限することなく、好きにやらせていますが、スマホ漬け、ゲーム漬けとはほど遠い状況です。
たとえば夏休み、父親である私が、大半は自宅で仕事をしているので、子どもたちは1日中家にいます。
当然、ニンテンドースイッチで「スプラトゥーン2」をやったり、スマートフォンやタブレットで動画を観たり、アプリで遊んだりしています。
が、朝には、自分から進んで宿題や自由研究の工作をやりますし、夕方には、晩ご飯やお風呂の支度をします。
先日は、10日間くらい取材やキャンプでお出かけ続きだったのもあり、特に「外で遊びなさい」とも何とも言わずに、本人たちに任せておきました。
すると、3〜4日はスマホやゲームばかりやっていましたが、ほどなく「どこか行きたーい」と言い出して、おじいちゃんを誘って水族館に出かけて行きました。
次の日には、木材が欲しいからホームセンターに連れて行ってとせがんで、望みの物を手に入れると、工作に熱中していました。
スマホ漬け、ゲーム漬けにならない3つの理由
とはいえ、当然ではありますが、「ただ無制限にやらせて放置すればいい」というものではありません。
「もうスマホ漬け、ゲーム漬けになる心配はないな」と、親が安心できるようになるまでには、数年かかっています。
我が家の場合では、大きく3つのコツがありました。
1. ルールを決め、例外を絶対に認めない
無制限にやらせている、とは言っても、時間制限をしていないだけで、ルールは設けています。
「やるべきことをやってから遊ぶ」あるいは、「やるべきことが発生したら、即座に中断して、先に用事を片付ける」ということ。
もちろん、就寝時間が来たら、スマホやゲームは終わりです。
守れなかったり、八つ当たりをしたりしたら、即座に没収になります。(補足:没収は長期のものではなく、何が問題で、今後どうすべきかを話しにくれば、すぐに返還しています。取り上げることが目的ではなく、適切な付き合い方を身に付けてもらうことが目的であるためです)
ポイントは、例外は絶対に認めず、徹底するということ。
「不確実あるいは不定期の報酬は依存性が高い」という事実は、依存症の研究でも明らかになっています。
たとえば、ペットの行動をコントロールしたいと思う場合がある。犬が食卓の食べ物を欲しがると考えてみてほしい。あなたは自制しようとするものの、しばしば与えてしまうだろう。
あなたは、自分自身にいつもそうするわけではないと言い聞かせ、自分は上手くやっていると思うが、実際は、犬が欲しがらないようにすることをかえって難しくしているのである。
子どもや学生などの場合も、似た状況を容易に想像することができる。
M・クーハー『溺れる脳: 人はなぜ依存症になるのか』
親の気分で、ルールをコロコロ変えれば、子どもはより「やりたい」という欲求を強めるのです。
もちろん、一貫性がなければ、子どもだって納得いかないので、言うことをきかなかったり、ダダをこねたりして当然です。
けれども、厳密に徹底していれば、次第にルールを守れるようになっていきます。