天は自分を助ける人を助ける
「天は自ら助くる者を助く」
これは、たくさんの人を励ましてきた『自助論』の基本ともいえる考えです。
つらいとき、面倒になったとき、「だれか代わりにやって!」と叫びたくなる気持ちは、大人にだってあります。
ですが、結局、自分の人生を代わってくれる人など、誰もいないのです。
自分でできることを、一歩、いっぽ、進めるだけ。
努力はいつか叶う、などといった無責任な言葉ではなく、こういった、目新しくはないけれど大事なことは、子どもには時間をかけてでも伝えていきたいですね。
自分で不可能って決めつけたら、できることだってできなくなるよ
筆者の息子が、映画の『ビリギャル』を何度も観ていたことがあります。映画の主題歌はサンボマスターの歌う『可能性』。
歌詞の「ダメじゃないよ僕たち 終わらせんな、可能性」というところにグッときていたようですが、要するに、そういうことですよね。
ダメかどうかはやってみないとわからないし、ましてや自分が決めることでもないはずなのに、多くの人が、やりもしないであきらめてしまうのは、自分で自分の可能性を否定しているから。
150年前のイギリスも現代の日本でも通用する、いわば普遍的な考えがこの言葉に表れているのでしょう。
まずは小さなことでもやってみて、成功すれば、その成功体験を糧に、もう少し大きなことにも手を出してみようと思えるはずです。可能性の幅は自分次第でいくらでも広げられるということですね。
がんばっているのに成果が出ないとき
がんばっているのに、なかなかうまくいかない。そんな子どももいると思います。
まず、見直すべきなのは、目標設定。ここを誤ると、どんどん本当は行きたい方向からずれていってしまいます。
いったん目標が定まったら、そのためにどんなことをするべきか、努力の方向性をきちんと考えてから行動に移します。行動するまでに時間がかかっても、結局はそれが一番の近道なのです。
この時に親があせって子どもをせかしてしまうと逆効果ですので、気をつけてくださいね!
成果をすぐに期待しない
どんな作物も、種をまいて、育って、実がなるまでは長い時間のかかるもの。努力もすぐに実を結ぶわけではありません。子どもも親もせっかちにならないことが大事です。
人と比べたりせず、ただ目の前のことをやれば、いつか努力は報われると信じて待つのです。希望を持って待つことが、努力とセットになれば、鬼に金棒ですよ。
まとめ
『こども自助論』に載っている言葉は、親が日頃から口癖のように声に出していれば、小さい子どもは覚えてしまう類のものばかりです。
「てんはみずからたすくものをたすく」
すぐに意味がわからなくても、いつか分かった時にきっと、子どもを支える言葉になるはずです。
小学校高学年くらいになると、だんだん親の言うことを聞かなくなってくるでしょうから、会話の代わりにこの本を目のつくところに置いておくのもいいかもしれません。平易な言葉とイラストで描かれているので、子どもにもわかりやすいはずです。
齋藤孝さんは、なにか新しいことに挑戦するときは、今でも『自助論』を開くそうです。
子どもに読ませる前に、ぜひ皆さんも、手に取ってみてくださいね。