3.子どもはあなたとともに人生を歩んでいる

子どもは、あなたとともに人生を歩んでいる。まさしくそうですね。

今子どもは親の庇護のもとで、親や周りの環境の影響を受けながら、社会に巣立つための訓練を日々しているのです。

あなたは親としての人生を、子どもは子ども時代を、あなたの子どもとして一緒に過ごすのです。

4~9.子どもとの距離感を考える

4~9は、日本の親にとってとても難しい課題かもしれませんね。

今字が読めるようになりなさい、今書けるようになりなさい、計算も今できなきゃダメ。親はつい子どもに、年齢にそぐわない期待をし、成果や結果を要求してしまうことが多いでしょう。

特にできないことは目につき、今スグにできるようにさせようと思いがちです。また、自分ができなかったことや自分の夢を、子どもを介して叶えようと望んでしまうこともありますね。

子どもを愛すればこそですが、自分の経験から答えを与えてしまったり、親の考えに従わせようともしてしまいます。

しかし、これらは残念ながら子どもの健全な成長にも、子ども自身の幸せな人生にもつながりません。子どもはいずれ一人で社会の荒波に漕ぎ出していかなければならないのです。

親は子どもの身体面や精神面の健康に気を配る必要はありますが、同時に子どもの成長を、長い目で見守ってあげる姿勢が必要です。

10.親は子どもを教え導くことはできる。しかし、勝つことが大切か否かを決めるのは子ども自身だ

スポーツに限らず、人生には勝つか負けるかという勝負は確かに付きまといます。負けたいと思う人は誰もいないでしょう。

けれど、勝ち方にこだわる必要はあるのではないでしょうか?

何をしてもどんな汚い手を使っても勝てばいいと考えると、日大アメフトやボクシング協会のような問題を起こしてしまうでしょう。これでは、子ども達に悪事を教えているようなものです。

スポーツをすることのメリットは、勝ち負けにこだわることではなく、勝つという目標に向かって努力することや、正々堂々と戦うという価値観を教えられることです。

勝負の世界では、トップに立てるのはたった一人(一組)です。残りの99%は負けるのです。スポーツ教育の目的は、その99%に対する心のケアと言ってもいいでしょう。

そうでなくては、親は子どもに安心してスポーツをさせられませんね。

いかがですか?

日本のスポーツ指導者にはぜひ参考にしてもらいたい内容ですが、親にとっても子育ての参考になると思いませんか?

「元日本航空CA、英語プリスクール経営者、保育士。幼児教育研究家として『日本欧米いいとこどり育児のススメ』をYouTubeでも発信。著書に『グローバル社会に生きる子どものためのしつけと習慣』『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』『モンテソ―リ教育で伸びる子を育てる』、『ホンマでっかTV』に子ども教育評論家として出演など。」