スコーンが苦手だった。ボソボソでおいしくないし、舌にくっつくところも苦手だった。そもそも焼き菓子なのか、パンなのか、立ち位置が曖昧なところも、あまり親しくなりたくない理由だった。
ところが、2025年9月、ブックカフェ『KAIDO books & coffee』(品川区北品川、以下KAIDO)の生スコーンと出会い、スコーンにハマってしまった。しっとりしていて、舌触りがなめらかで、ボソボソ感が皆無だった。以来、KAIDOのインスタを見て、ポップアップ情報をチェック。できる限り足を運ぶようになった。
生スコーンと他のスコーンとの違いを知りたい。作っているところも見てみたい。念願かない、取材させていただけることになった。
「朝7時半頃、スコーンが焼き上がります」
オーナーシェフの佐藤亮太さんにいわれ、某日7時半に伺った。店舗から少し離れた場所にある工房は、スコーンが焼ける甘くて香しい香りで満ちていた。催事がある日は1,000個焼くこともあるそうだ。
「焼き上がったスコーンをショックフリーザーに移し、急速冷蔵します」
パン屋では、焼き上がったパンをラックなどに並べて自然冷却させる店が多い。ところが、KAIDOでは、熱々のスコーンを急速冷蔵させるというのだ。
「そのままだとスコーンに含まれる水分が蒸発してしまいます。急速冷蔵することで水分を閉じ込めつつ、おいしさを持続させることができます」
焼き上がったらas soon as急速冷蔵。ここにKAIDOのスコーンがしっとりしている秘密があった。
もちろん、生スコーンの生スコーンたるゆえんは、それだけではなかった。
「生地に生クリームを練り込むことで、しっとりとした食感のスコーンに焼き上がります」
生クリームを使ったスコーン。長いので略して「生スコーン」と命名し、2015年の創業当初から生スコーンを販売している。
生地には生クリームの他、バター、小麦粉、卵、キビ糖、アルミフリーのベーキングパウダーを使っている。ちなみに生クリームは、北海道は根釧地区の生乳で作ったタカナシかよつ葉乳業。バターはよつ葉乳業。
「小麦粉は、北海道産の2品種をブレンドすることで甘味を出します。この生地をベースに他のスコーンも作っています」
かなり贅沢な食材を使ったスコーンといえそうだ。
常時焼いているスコーンは、プレーン(620円)、チョコチップ(650円)、紅富貴(620円)、レモン&クリームチーズ(620円)の4種類。もうひとつ季節商品として焼いているキャロット(620円)が大人気だそうだ。
「キャロットは作るのがけっこう大変なんです。今後も焼くかどうかまだ決めていません」
いや、むしろ定番にしてください。すべきです。だってめちゃくちゃうまいし。先日、品川駅のポップアップでキャロットを購入。キャロットケーキも好きだけど、KAIDOのキャロットスコーンはそれ以上に好き。大ハマリ。
はじめて来店したとき、プレーンと紅富貴を食べたけど、作った人の説明を聞きながら全5種類のスコーンをいただくことにした。





























