5/29に閣議決定された「第3次自転車活用推進計画」において、要望させて頂いた観光振興・公園等の活用・交通安全教育・災害対応等の社会的課題解決手段としてのMTB活用が明確に位置づけられました。
自転車活用推進法に基づき、政府が策定する「第3次自転車活用推進計画」(以下「本計画」と言います。)が2026年5月29日に閣議決定され、MTBを含む多様な自転車の活用が、地域活性化(森林活用、観光振興、既存インフラ活用、関係人口創出)・安全教育・災害対応等の社会的課題の解決手段になりうるという観点から、具体的な措置や施策として明記されました。
オリエンタルコンサルタンツ、JPF、ヤマハ発動機、山守人の4社連携の「MTB活用社会推進連絡協議会」(以下MTB協議会)としては、長年創り上げてきた数々の先進事例や、それらの経験を踏まえて国に対して行ってきた要望等が、健全な政策形成プロセスの中で適切に受け止められ、新たな5ヵ年計画に明確に位置付けられたことを歓迎します。

2023年5月青空総会に出展および皇居一周サイクリングに参加

2024年7月、超党派国会議員による自転車活用推進議員連盟の山梨MTB視察体験の様子

2025年5月、自転車活用推進議員連盟 橋本聖子会長、金子恭之幹事長(現・国土交通大臣)とMTB活用社会推進連絡協議会との懇談の様子
MTBに関連する主な計画改定のポイント
本計画において、以下のポイントにおいてMTB活用が想定されており、MTB協議会としても今後さらに貢献すべく取り組んで参ります。1. 災害時における自転車活用の推進
自転車(特にMTB)は災害時において機動的であり、交通機能の維持には極めて重要な役割となります。下記の通り本計画に位置付けられました。自転車を巡る現状および課題【安全安心】
「熊本地震や能登半島地震等の近年の大規模災害において、ガソリン不足や交通渋滞が発生しているが、そうした状況において自転車が一定の機動性を有する移動手段であることを踏まえて、災害時における活用を推進することが重要である。」
目標2 自転車事故のない安全で安心な社会の実現
「災害時において一定の機動性を有する自転車の特徴を活かし、被災状況の把握手段等、災害や地域の特性を踏まえながら、災害時における自転車の活用を図る。」
〔実施すべき施策〕
14.地域社会の安全・安心の向上を図るため、災害時における自転車の活用を推進する。
〔講ずべき必要な措置〕
- 災害時における道路その他の被災状況の迅速な把握のため、国道事務所等において自転車を配備し、訓練を重ねる等により危機管理体制を強化するとともに、地方公共団体においても災害時の自転車の活用が促進されるよう働きかける。
- 災害や地域の特性を踏まえ、地方公共団体における災害時の移動手段としての自転車活用について情報収集及び発信を進める。

山梨県市川三郷町と山守人のE-MTBや重機を活用した災害協力を含む包括連携協定の締結

市民防災公園(海南ハレアメ)にMTBトレイルやレンタルサービス導入により、発災時・平常時を問わず機能するフェーズフリーな地域のアクティビティ・モビリティ拠点として育てていく(和歌山県海南市)
2. 子どもの自転車安全教育の推進、及び、都市公園・自然公園の自転車活用
自転車の現状と課題においても、若年層の自転車事故による死傷者数の多さや学校統廃合による通学距離の増加が想定されるため、学校における自転車安全教育の重要性が高まっていきます。また下記のように本計画に記載されています。自転車を巡る現状および課題【安全安心】
「近年、自転車に乗れる子どもが少なくなっていることが指摘されている。自転車保有に関する実態では、自転車をほとんど使っていない10代以下の割合は、平成30年度の11%から令和3年度には15%22に増加している。これには、自転車を安全に乗れる又は練習できる環境が少ないことも背景にあると考えられ、アンケート調査の結果では、都市部、地方部ともに、公道や公園等の活用による安全に自転車に乗れる環境の創出が求められている。」
目標2 自転車事故のない安全で安心な社会の実現
「自転車の練習を含め子ども等が安全に自転車に乗れる環境を確保するため、公園等の活用を図る。」
「学校等の教育主体による交通安全教育を充実させることが重要となる。このため、未就学児から高校生をはじめとするライフステージに応じた学校等の関係機関・団体が連携した交通安全教育や、保護者の安全意識向上に関する関係機関への周知に加え、交通安全教育を行う指導者に自転車交通ルールの理解を深めてもらうために研修内容の充実を図る等、自転車の交通安全教育を推進する。」
〔実施すべき施策〕
8.自転車の交通安全教育を推進する。
12.公園等の活用により、子ども等が安全に自転車に乗れる環境の創出を促進する。
〔講ずべき必要な措置〕
- 未就学児から高校生をはじめとする発達段階に応じたライフステージごとの、自転車の安全利用に関する効果的な交通安全教育を、関係機関・団体が連携して推進する。
- 道路管理者、教育委員会、学校、PTA、警察、自治会等の連携の下、交通安全対策を面的に実施する。
- 都市公園及び自然公園を活用した自転車利用の好事例を周知することにより、都市公園及び自然公園において、子ども等が安全に自転車に乗れる環境の醸成を図る。

都市公園の再生により整備された市川公園MTBフィールドでの、子ども等が安全に自転車に乗れる環境づくりの一環としての乗車技術教室(山梨県市川三郷町)
目標4 自転車利用の促進による活力ある健康長寿社会や脱炭素社会の実現
〔実施すべき施策〕
23.サイクルスポーツ、自転車競技の普及・振興を推進する。
〔講ずべき必要な措置〕
サイクルスポーツを身近で慣れ親しめるよう、自転車競技者を含む関係者に協力を要請することにより、既設競輪場を活用した市民参加の取組や、公園等の有効活用等を促進する。

千葉市中心にある都市公園の競輪場とMTB環境では様々な自転車普及イベント等が開催される(千葉県千葉市)
3. MTBでのアドベンチャーツーリズムによる観光地域づくりと中山間地域の活性化
本計画ではビジョンが新たに設けられ、その中で観光地域づくりおよび地方創生について大きな柱として位置づけられています。その中でもMTBの貢献度が高まっていくことが考えられます。ビジョン
「自転車は、地域の観光・交流の推進にも貢献する。サイクルツーリズムを通じて、滞在型・回遊型観光を促進することで、地域の経済循環を生み出すことを目指す。また、観光地において、自転車が環境負荷や交通負荷の少ない移動手段として公共交通とともに活用され、持続可能な観光地域づくりに貢献することで、地域資源を守りながら人の流れを生み出すことを目指す。」
自転車を巡る現状および課題【観光地域づくり】
「世界で約1兆米ドルの市場規模といわれるアドベンチャーツーリズムが盛り上がりを見せる中、マウンテンバイク等により自然を楽しむことは、新たな観光資源になり得る。」
目標5 サイクルツーリズム等の推進による観光地域づくりや地域の活性化
「国内外から地方部等へ観光客を呼び込む一つのコンテンツとしてもサイクルツーリズムを推進するため、(略)マウンテンバイクを活用した様々な取組の推進等により、世界に誇るサイクリング環境を創出する。」
〔実施すべき施策〕
28.サイクルツーリズムの推進に向け、世界に誇るサイクリング環境を創出する。
29.自転車活用による観光地域づくりを推進する。
30.障害者や幅広い年齢層におけるサイクルスポーツ、自転車競技、サイクルイベントの振興を通じた地域の活性化を推進する。
〔講ずべき必要な措置〕
- 森林空間利用の促進を図る森業の取組等を通じ、マウンテンバイクを活用した様々な取組を推進するとともに、各地域の先進的な事例の情報収集及び発信を行うことにより他地域への展開を促進し、関係人口の拡大、地域の雇用及び収入機会の創出等を図る。

使用許可を取得し広大な山道網を活用したインバウンドツアーで地域振興につなぐ(山梨県)

民間MTBパークで森林空間活用(静岡県森町)
国土交通省報道発表
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_002101.html
MTB活用社会推進連絡協議会のビジョンと取組方針
MTB協議会は、マウンテンバイクを単なる森林活用や自転車普及の手段として個別に捉えるのではなく、中山間地域が抱える複合的な地域課題を包括的に解決するためのツールとして位置づけています。過疎化・高齢化・産業の空洞化・交通空白といった課題に対し、MTBを切り口とした観光振興・関係人口創出・雇用創出・コミュニティ再生を一体的に推進することで、地域の根本的な活性化を目指します。MTBの普及啓発においても、表面的な認知拡大にとどまらず、政策制度・環境・文化の各面における根本的な課題解決にアプローチしてまいります。今後は全国の自治体・関係団体との連携をさらに深め、先進事例を磨き上げながら積極的に発信し、社会的実装と普及のさらなる加速を図ります。

MTB活用社会推進連絡協議会ビジョンマップ

山梨県総合計画に位置付けられたマウンテンバイク
MTB協議会の本計画へのコメント
これまで国に対して行ってきた要望や意見交換が、健全な政策形成プロセスの中で適切に受け止められ、新たな計画に反映されたことを歓迎します。今回の計画は、MTBが社会に貢献できる可能性を広く示すものであり、これからいよいよ取組の加速・深化を図る段階に入ります。
現在、日本のMTB人口比率は、欧米のMTB活用が進んでいる国々の約1/100にとどまっています。この大きな差の根本的な要因のひとつが、MTBが走れるフィールドの圧倒的な不足です。それをを解決するため、MTB専用パークを整備するという短絡的なアプローチではなく、日本中に眠る「公共の山道」つまり遊休インフラを有効活用することでフィールドの爆発的拡大を目指します。
「公共の山道活用」が実現することで、MTB先進国と同水準のMTB人口比率に迫る爆発的なMTB人口拡大が期待されます。MTB協議会はその仮説をもとに取り組みを推進しています。
一方で、日本の山道は権利関係・利用ルール・利用者間の合意形成等、非常に複雑な課題が山積みです。
当協議会はそうした課題に取り組む全国各地での先進事例づくりとノウハウの体系化を積極的に推進・拡大し、社会的な認知度と関係者による取組の熟度を高めていくことで、全国への横展開と、将来的な政策への反映につなげていくことを目指します。

山の中に眠る未活用の山道

山道の再生作業風景
今後の展開
MTB活用社会推進連絡協議会は、現在、活動のさらなる発展と社会的信頼性向上を目的として、法人化を準備中です。法人化により、自治体・企業・団体との連携をより強固なものとし、MTBを核とした中山間地域の包括的活性化に向けた取組を組織的・継続的に推進してまいります。詳細については、準備が整い次第、改めてお知らせいたします。
全国民が親しめるマウンテンバイク環境を創出し、中山間地域が元気になる世界を目指して(山梨県市川三郷町市川公園)
MTB活用社会推進連絡協議会について
マウンテンバイク(MTB)を単なるスポーツ・レジャーとしてではなく、中山間地域が抱える複合的な課題を包括的に解決するツールと位置づけ、MTBが当たり前に活用される社会の実現を目指す団体。現在、法人化準備中。【構成団体】
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
株式会社JPF
ヤマハ発動機株式会社
一般社団法人山守人・株式会社山守人
【主な活動】
全国各地における先進事例の創出・情報発信・横展開 行政・研究者・企業・市民団体等との連携体制整備 山道利活用に関するガイドライン・維持管理手法の整備 先進事例・エビデンスに基づく政策提言および制度化・予算化への働きかけ
【現在の取組事例】
山梨県市川三郷町との包括連携協定締結によるMTBまちづくり
都市公園のMTBコース整備・指定管理運営
学校教育へのMTB乗車技術・SDGs学習の導入
閑散期ロープウェイや登山道を活用したアドベンチャーツーリズムの推進
現在、欧米などMTB先進国と比較して約1/100にとどまる日本のMTB人口の拡大を見据え、公共の山道活用をはじめとする政策制度・環境・文化面での根本的課題解決にアプローチしている。
2025年11月27日プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000089079.html
山守人について
株式会社山守人、一般社団法人山守人事業内容:
MTBフィールド管理運営事業、MTB会員組織運営事業、まちづくりコンサルティング事業、MTBコースデザイン造成事業、ツアー・イベント事業、MTBレンタル販売事業、MTB普及啓蒙、政策提言活動等
メール:yamamoribito.mtb@gmail.com
HP:https://www.minamialpsmtb.com/
※視察・研修も対応可能です。
問合せ
マウンテンバイクや山道、それらを活かした山林活用や地域づくり、先進事例のご紹介や政策制度に関することなど、あらゆるご相談を受け付けます。安心安全なMTB環境の視察やMTB体験、MTBフィールド作りや運営、行政の計画策定のサポートも承っております。お気軽に下記ホームページよりお問合せください。MTB活用社会推進連絡協議会ホームページ
MTB活用社会推進連絡協議会 事務局
山梨県西八代郡市川三郷町印沢947-3 市川公園MTBフィールド内

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