あまりにも動かないので剝製かと思いましたが、いきなり大あくびをしました。

檻の前には“柵を叩かないでください”と注意書きまでありました。

そう書いてあるとどんなに暴れる鳥なのか柵を叩きたくなりましたが、先生に叱られるのでやめました。そしてグッと堪えて家に帰りました。その奇妙な姿は寝るまで頭に残っていて夢に出てきました。”

また、「いつ、どこで、なにが、どうした」などの枠組みを外して次のように書くのも面白いです。

「ハシビロコウって知っていますか。僕はこの間生まれて初めて目にしました」とか「今まで一度も見たことのない恐ろしい鳥に出会いました」

このように書き始めると、生き生きとした感動が伝わる文章になります。書き方のパターンにとらわれず、思うように書かせた方が子どものオリジナリティー溢れる文章になるので不思議ですね。

でも!

「子どもがこんな作文書ける訳がない!」と感じた皆さん。豊富な語彙を使った文章力はどうやって育つのでしょうか。次にお話しします。

家庭でやらない方がいいこと

子どもが絵や文章を書くのが嫌いになる一番の理由は評価されることです。それも「下手な絵だね」とか「下手な文章だね」の一言を言ってしまうと、「僕は絵や文章が下手なんだ」と自分にレッテルを貼ってしまいます。

そして、それ以降、苦手意識を持ってしまいます。どんなことを書いたとしても「上手、下手」の評価を大人が下さないことが肝心です。

絵本の読み聞かせ・読書で表現力の元となる言葉をインプット

感じたことを表現するための材料は言葉です。語彙を増やすことがポイントです。

これには本を読む習慣をつけるしかありません。実際、後者の作文には“堪えて”“見たこともない恐ろしい”などの言葉が使われていますね。これは友達や親の日常会話から覚えた言葉ではなく、本から得た言葉です。

このように読書の習慣を付けることで豊かな表現力が培われます。

喋って、書いてアウトプット

同時にアウトプットする練習をして初めて文章力が定着します。ただ、読んだだけでは残念ながら文章力は定着しません。つまり誰かに話したり、メモに書き留めたりすることです。

経験したこと、感じたことを「嫌だった」「楽しかった」でもなんでもよいので誰かに話したり、描いたり、書いたりすることを通して初めて知識が記憶に定着し、語彙を使いこなす力、表現力が磨かれていきます。

筆者は14歳の頃からずっと鍵付き日記を書いていました。自分だけが見ることが出来る秘密の日記です。

よその人はみない文章ですから、誰からも「下手な文章だ」と評価されません。だから、ドンドン書きました。文章も少なくともうまくなってきたと自負しています。本も10冊出すことも出来ました。

園や学校に提出する絵日記ではなく、自分だけの“鍵付き日記”なんてよいのかもしれませんね。