ヤムチャには野球の才能があったらしい……!『ドラゴンボールZ』の脱線っぷりは秀逸です

週刊少年ジャンプの人気作品の中には、原作の連載とアニメの放送が同時進行で進むものが数多くあります。当然ながらアニメは原作よりも進展が早いため、連載に追いつきそうになってしまうことも日常茶飯事。そんなときには、アニメ版だけのオリジナルストーリーを放送することで時間を稼ぐわけです。

その最たる例が『ドラゴンボールZ』。

悟空とピッコロがチチに促されて自動車教習所へ通うエピソード(第125話)や、ヤムチャが野球選手のアルバイトを始めるエピソード(第10話)など、例を挙げ始めるとキリがありません。筆者はリアルタイムで放送を見ていましたが、ヤムチャが狼牙風風拳(ろうがふうふうけん)の構えで三打席連続ホームランを打ったときには流石に「これは違くね……?」と違和感を感じたものです(笑)。

しかし、『ドラゴンボールZ』で描かれたオリジナルストーリーの中には名エピソードと語り継がれているものも少なくありません。

悟空の父であるバーダックとフリーザの戦いを描いたテレビスペシャル『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦~フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父~』は、原作のスピンオフ作品としてファンの間でも高く評価されていますし、当初アニメだけのオリジナルキャラクターだったバーダックは、後に原作にも登場しています。

このようにアニメオリジナルキャラクターが原作に逆輸入されるのは珍しいケースですが、ファンからすればたまらないサプライズですよね。

大ヒットで急遽放送を延長!『美少女戦士セーラームーンR』の魔界樹編

1992年から5年間にわたって放送されたアニメ『美少女戦士セーラームーン』シリーズ。少女達から絶大な支持を集めたこちらの作品にも、アニメ版だけのオリジナルストーリーは数多くありました。

特に有名なお話と言えば、第2期の『美少女戦士セーラームーンR』で描かれた「魔界樹編」でしょう。オリジナルキャラクターのエイルとアンを軸に、魔界樹とセーラームーン戦士達との戦いを描いた名エピソードでしたね。

実はこの「魔界樹編」は、急遽放送が決定した第2期用に作られた突貫制作のストーリーだったのだとか。当時は原作のストックがなかったために完全オリジナルストーリーで展開するしかなかったのです。魔界樹編からセーラームーンデビューをしたというファンの方も多いかと思いますが、これは意外な裏話ですよね。