地域還元178億円と試合が無い日の収益55%、若者雇用・就業者誘発4,607人が支える「通年型の経済圏」

中堅・中小企業を対象に専門コンサルタントを擁する経営コンサルティング会社の株式会社船井総合研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:真貝大介、以下、船井総合研究所)は、株式会社ジャパネットホールディングス(本社:長崎県佐世保市、代表取締役社長 兼 CEO:高田旭人、以下、ジャパネットホールディングス)の委託による第三者調査として、同グループが主導して開業した民間主導の大型複合施設「長崎スタジアムシティ」(長崎市)と、プロスポーツクラブ「V・ファーレン長崎」「長崎ヴェルカ」が長崎県にもたらす経済・雇用・社会への影響を統合的に評価したレポートを作成しました。本日より、レポート全文のPDFを公開します。

▼レポートデータはこちら
https://asset.funaisoken.ne.jp/official/press-release/nagasaki-stadiumcity.pdf




レポートのポイント

- スタジアム・アリーナを核とした民間主導のまちづくりとしてスタートした本件の長崎県にもたらす経済波及効果は、年間378.3億円。2023年と比較し約11倍まで拡大、これは西九州新幹線開業に伴う利用観光客消費の約2倍(開業後1年間で193億円、レポート第2章に記載)相当の広がりを見せています。
- 波及効果の約47%にあたる約178億円が施設の外(県内の市中)へ還元。波及効果による経済効果を長崎県内で分かち合う構造が、数値として確認されました。
- 需要全体のおよそ55.0%(≒160.0億円相当)は「試合のない日」に発生。プロスポーツの試合に依存しない、通年型の経済圏が形成されています。
- 毎年約28億円が税収を通じて自治体へ還元され、これは後期高齢者の年間医療費2,900名分に相当します。
- 就業者誘発は年間4,607人(試算)。長崎県の年間転出超過数(約4,000~5,000人)に匹敵する規模。地元雇用の受け皿としての機能が期待できます。

※算出は令和2年長崎県産業連関表(40部門)に基づく標準的手法を用い、運営管理費を除外した保守的な推計としています。

背景:スタジアム経営の共通課題「試合のない日」に、地域に継続的な賑わいを生む仕組み

全国各地でスタジアム・アリーナの新設や改修が進むなか、地域に継続的な賑わいを生む「試合のない日の稼ぐ力」は、自治体・運営事業者に共通する課題となっています。民間企業が主導してスタジアムと商業・宿泊・オフィス等を一体で整える「民間主導のスタジアム街づくり」は、この課題への新たなモデルとして注目を集めています。
「長崎スタジアムシティ」は、ジャパネットグループを中心とする民間主導でスタジアム・商業施設等を一体整備した大型複合施設です。開業から1年間で延べ485万人が来場しています(※1)。本調査では、同施設と「V・ファーレン長崎」「長崎ヴェルカ」の活動を対象に、経済・雇用・社会の三つの側面から影響を定量化しました。
※1 出典:株式会社ジャパネットホールディングス「長崎スタジアムシティ開業1周年レポート(2025年10月31日)」https://www.nagasakistadiumcity.com/news/20251031-3/



効果の約47%(178億円)が施設の外へ -「分かち合う構造」

施設内の消費だけが大きい「閉じた施設」ではなく、効果の約47%が施設の外に所在する県内事業者へ波及する点が、今回の民間主導のスタジアム街づくりの特徴です。内訳は、来場者が市中で直接消費する金額が約40億円、その消費がさらなる購買を呼び込む波及需要が約138億円。スタジアムを起点にした需要が、県内の経済へ順番に渡っていく構造が示されています。



この数字を裏付けているのが、県外から訪れる来場者の消費行動です。アウェイチームのサポーターを含むアウェイ客の平均宿泊率は48.1%(GPS人流データの実測と交通時刻表からの逆算による推計)に上り、宿泊客の県内消費単価は30,647円と、日帰り客の約5倍に達します。試合日に県外から持ち込まれる県外消費は年間16.7億円、外部興行に伴うイベント関係者の宿泊・飲食消費は年間24.2億円に上ります。



年間378.3億円の内訳 - 「試合がない日も、賑わう街へ。」

経済波及効果は年間378.3億円(直接240.8億円・波及倍率1.57倍)。主体別は長崎スタジアムシティが224.6億円(59.4%)と最大で、V・ファーレン長崎106.3億円(28.1%)・長崎ヴェルカ47.4億円(12.5%)が続き、2クラブで約4割を占めており、施設とクラブが一体となって経済圏を牽引している実態が数字に表れています。

注目すべきは需要の構造です。年間の需要総額290.9億円のうち、およそ55.0%(≒160.0億円相当)が試合のない日に発生しており、試合日を上回っています。試合の日には県外から来場者・関係者から県外消費を獲得し、試合のない日にはホテル・オフィス・商業が日常の需要を稼ぐ。週末の試合日だけでなく、平日の商業利用や地域イベントが経済圏を支える「通年型」の稼ぐ力が、数字として確認できました。



財政と未来:毎年約28億円が、世代を越えて長崎の暮らしを下支えする

税収を通じて自治体へ還元される財政効果は、生産誘発に伴う地方税収(年間約18億円)と、施設が毎年納付する固定資産税等(年間約10億円)を合わせ、年間約28億円規模と見込まれます。この規模は、高齢者の医療を支えるだけでなく、子どもの学びと若者の進学を支えるにも足るものです。民間ビジネスの成長が、世代を超えて地域のセーフティネットと未来への投資を下支えすることを示しています。



雇用と社会:転出超過数に匹敵する4,607人、「長崎で働く」の選択肢を広げる

本調査のもう一つの柱が、雇用への影響です。長崎スタジアムシティが誘発する4,607人の雇用は、長崎県の年間転出超過数(約4,000~5,000人)に匹敵する規模です。特筆すべきは、その中身が「飲食・娯楽」「宿泊」等の誘発雇用にとどまらない点です。クラブ・施設の運営にはフロントスタッフ・イベント制作・ホスピタリティ・施設管理といった多様な専門職種の直接雇用が含まれ、さらに長崎スタジアムシティにはオフィス棟が併設されており、県外からの企業誘致が「長崎で働く場所」の創出につながっています。

算出方法(データの信頼性について)

基礎データ:令和2年長崎県産業連関表(40部門)
算出方式:施設・クラブの売上を起点とする売上ベースの算出
推計の保守性:施設の運営管理費を除外した上で、直接効果240.8億円を基に波及倍率1.57倍を適用
雇用:雇用誘発係数に基づき、年間4,607人と推計

■レポートの詳細

レポート全文は、PDFで公開しています。
https://asset.funaisoken.ne.jp/official/press-release/nagasaki-stadiumcity.pdf

リリース内で使用した用語について

・長崎スタジアムシティ
2024年10月に長崎市に開業した、ジャパネットグループが民間主導で開発・運営を行う大型複合施設。約7.5万m2の敷地内に、プロサッカークラブ「V・ファーレン長崎」の本拠地となる約2万席のスタジアム、プロバスケットボールクラブ「長崎ヴェルカ」の本拠地となる約6,000席のアリーナを中心に、ホテル、商業施設、オフィス棟が一体となって配置されています。スポーツ観戦だけでなく、日常的な買い物や宿泊、ビジネスの拠点として、365日いつでも楽しめる「スタジアム街づくり」を実現しています。
※本レポートは長崎スタジアムシティのほか、プロサッカークラブ「V・ファーレン長崎」とプロバスケットボールクラブ「長崎ヴェルカ」がもたらす経済効果を算出したものです
・直接効果
施設内での消費や、来場者が市中で直接消費した金額など、現地で直接発生した一次的な需要総額
・波及倍率
元となる直接効果に対して、県内産業全体へ波及した経済効果が何倍まで拡大したかを示す指標
・生産誘発
生まれた消費需要に応えるために、県内の各事業者が新たに商品やサービスを製造・提供すること

株式会社船井総合研究所について

中堅・中小企業を対象に専門コンサルタントを擁する日本最大級の経営コンサルティング会社。
業種・テーマ別に「月次支援」「経営研究会」を両輪で実施する独自の支援スタイルをとり、「成長実行支援」「採用・人的資本経営支援」「企業価値向上支援」「DX(デジタルトランスフォーメーション)・AX(AIトランスフォーメーション)支援」を通じて、社会的価値の高いサステナグロースカンパニーを多く創造することを目指している。その現場に密着し、経営者に寄り添った実践的コンサルティング活動は様々な業種・業界経営者から高い評価を得ている。
<株式会社船井総合研究所 オフィシャルサイト>
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