原作リスペクトが半端ない! キャラへのなりきりっぷりに燃える
 

「広島呉南工業高校」の待宮栄吉の、胸のハンドルによって出来た闘犬のようなあざなど、今回の舞台で描かれるストーリーに基づいた演出も観る事が出来ます。

ライバルだけど関係無い! 男の友情に涙
 

先ほど、闘犬のようなあざを紹介した、広島呉南の待宮は他のチームの妨害をしたり、甘い言葉でそそのかし最後に裏切るという、勝利の為なら手段を選ばない選手。それだけに、物語後半まで完全なヒールとして観る人をハラハラさせます。

しかし、箱根学園・荒北と真っ向勝負をした事で心境に変化が。待宮には待宮なりの考えがあり、想いがあったのです。立場や環境は違えども、全力で自転車競技に向かい合う男である事により、お互いを認め合う、荒北と待宮の男の友情に涙。

「自分の出来る事をすれば良い」1年部員の成長に感動
 

インターハイ最終日という事で、3年生の最後まで力を振り絞って競技に挑む姿には心を打たれます。自転車競技とは一人では絶対に勝つ事の出来ないスポーツ。エースの前に行き、風よけの役割を引き受けたり、坂道に強い選手の力を温存したりと、エースとアシストが無いと成り立ちません。だからこそ、自分の体がボロボロになって限界をむかえても、「お前が行け」と仲間を押し出す。ここまでくると「ロードレースとは人生そのもなのだ」と、若干気持ち悪いほど感銘を受けてしまった筆者。

そして、1年生の成長も見逃せません。皆の頑張りを間近で見れば見るほど、「自分には何が出来るんだろう」と悩んでしまう坂道や、周りが止めに入るほどの熱血な走りをみせた鳴子など、先輩達の背中を見てどんどん強くなる彼らに感動します。