「食事はすべて薬になるんですよ」と柔らかなトーンで話す、驚くほど透き通った肌の女性。その方こそ、日本における薬膳研究の第一人者であり、国立北京中医薬大学日本校薬膳研究科講師の阪口すみ先生です。

薬膳のパイオニア、阪口すみ先生

すみ先生いわく、妊活には『薬膳料理』と『薬膳の考え方』がとても効果的なのだとか。
そして嬉しいことに、薬膳を生活に取り入れた不妊治療中の生徒さんたちが、子宮力を上げてどんどん妊娠していく様子を今までたくさん目にしてきたのだそう。

でも薬膳ってなんだかムズカシそう、と思っている方、どうぞご安心を!
薬膳を簡単に言ってしまえば、「自分の体質に合った食事をして、体調を整えましょう」というもの。ポピュラーな例で言えば「冷え性の人はネギやニラで体を温めましょう」といったような、実にシンプルな考え方です。

さらに言うならば、薬膳とはズバリ「医食同源」のこと。
ですので特別な漢方薬をいろいろ配合したりだとか、スパイス満載などというような、実生活からかけ離れたような話ではないのでどうぞご安心ください!

というわけで、すみ先生の子宮力アップ&妊活に関する著書「体をあたためて妊娠力アップ!おめでた薬膳」(主婦の友社)にも載っていない、ここだけの「妊活にイイ話」を伺ってきました。

大敵なのは「冷え」と「栄養不足」だった!

ーー子宮力が低下している方に共通する「体質」というものはありますか?

(すみ先生)ひとつは、これは日本人の女性全般に言えるのですが、とにかく冷えている人が多いです。この原因として、日本人は真面目なのでストレスから体のエネルギーの巡り、いわゆる気の巡りが悪くなりやすいんです。当然、気と血液は一緒に流れているので、気の巡りが悪くなると、血の巡りも悪くなってるんですよ。

気と血の巡りが悪いところにもってきて、環境的に冷える場面が多いですし、意外と「冷やすといけない」という文化があるようで実際はそれほど徹底されていないので、それによって血行不良を起こして、結果的に生理痛があって当たり前、という人が多いんですよね。

ちなみに中国は冷えに対してとても重きをおいていて、例えばお母さんが娘さんに、「いま生理中なんだからアイスは食べちゃだめよ」などと、冷えないような教育をしているんです。

冷えは大敵!

ーー小さい頃から冷えに気をつけるよう教えることは、大事ですね。

(すみ先生)そう、中国のように日本でも、生理の始まった娘さんには体を温めることの大事さをしっかり教えてあげたなければなりませんね。

そして体質の話の続きですが、もうひとつは、カロリー過多の割に栄養が足りていないパターンも多く見受けられます。栄養不足の結果、血が足りなくなっていたりとか、エネルギー自体が不足しているとか。

ですので子宮力が下がっている方に共通する体質として、「冷え」と「栄養不足」の、このふたつが多いなあと思いますね。