夕食→『ハント』のおつまみサムギョプサル

カンナのような機械で薄切りにされた『ハント』のサムギョプサルは、写真のように湾曲しているのが特徴

今でこそ、冷凍していない生の豚肉を焼いて食べるサムギョプサルの店は珍しくないが、80~90年代までは冷凍肉をカンナのような機械で薄く切って出すのが主流だった。

この店はそんな昔のスタイルにこだわって、170グラム12000ウォンという手ごろな値段でサムギョプサルが食べられる店だ。薄切りの豚バラ肉はお腹をふくらませるというより、お酒を美味しく飲むためのつまみと言うほうがぴったりくる。

たまに肉の端に丸く残っている骨をよけながら食べるのもどこか懐かしい。

サムギョプサルだけではあきてしまうという人は、韓国産牛のチャトルパギ(110グラム13000ウォン)がおすすめ。

薄切り肉の赤身にはほどよい歯ごたえが、赤身とのコントラストが鮮やかな白い脂身にはねっとりとした旨味があり、こちらも酒の肴として最高だ。

前述の『全州食堂』を右手に見ながら通り過ぎ、2つ目の路地を右に曲ると、左手に『ハント』が見えてくる

※2019年の2月2日(土)午後、本コラムの筆者(チョン・ウンスク)が東京大山の焼肉店でイベントを行います。当日は、ソウルのDEEPエリアに関するトーク、板橋区の酒都・大山散歩、旧正月直前新年会を行う予定です。詳しくはTwitter(@Manchuria7 )で。

鄭銀淑:ソウル在住の紀行作家&取材コーディネーター。味と情が両立している食堂や酒場を求め、韓国全土を歩いている。日本からの旅行者の飲み歩きに同行する「ソウル大衆酒場めぐり」を主宰。著書に『美味しい韓国 ほろ酔い紀行』『釜山の人情食堂』『韓国酒場紀行』『マッコルリの旅』など。株式会社キーワード所属。