会話に入れない、入りづらい
石本「もしあなたが会話に入りたいと思っているのになかなか入れないときは、無理に自分から話す必要はありません。『聴く』に徹していれば、うまくその場になじむことができます。では、聴くとはどうすれば良いのでしょうか。簡単な方法が3つあります。この 3つが大きな効果を生みます」
1.うなずいたり、あいづちを打ったりしてみる
ポイント:少し大げさに、大きめの声で。相手に認識してもらわないと意味がないため。
2.相手の言っている言葉を繰り返してみる
ポイント:話し手が一番みんなに聞いてもらいたそうなこと、フレーズ、を繰り返し。
3.時々質問をしてみる
ポイント:話を聴いていて、あれ?どんな意味?と思ったら「それはなあに?」とか「それって ○○っていうこと?」と尋ねる。
石本「3については、特に自分が知らないことをみんなが話題にしている時こそ、チャンスです。『私それ知らなかった!おしえて!』と発言しましょう。実はこれらすべて、先にお話しした自己重要感を満たすコミュニケーションなのです」
会話が面倒
石本「面倒だ、今日は疲れている、話したくない、と感じたなら、急ぐ用事があるなどの適当な理由を伝えてその場を離れることが一番です。嘘であってもかまいません。
それよりもまずいのは、面倒だなという気持ちを持ったまま会話に加わっていることです。なぜなら、隠したつもりでいてもたいていの人の場合、ノンバーバルコミュニケーションの 領域で『面倒だな』と思っていることが伝わってしまっているからです。
ノンバーバルコミュニケーションとは非言語、言葉以外のコミュニケーションです。
例えば話し方、声の大きさ、トーン、スピード、そして表情や身振り手振りなどです。ですので周囲に良い印象を与えません。気を遣って頑張って会話に入ったのに、です」
何を話せばいいかわからない
石本「これは会話に入れない、入りづらいと似ています。『コミュニケーション上手は聴き上手』『コミュニケーションは聴くが 8 割』ということはコミュニケーションの世界では常識です。
それでもあなた自身に話題提供が必要なら、まずはそこにいるママ友たちを観察することです。コミュニケーション能力と人間観察力は比例します。
相手の身に付けているもの、ヘアスタイル、メイク、子ども、家族、仕事など何か話題になるものを見つける。さらにワンランク上を目指すなら、相手の気持ちや今の状況に何か変化がなかったか、察して 言葉にしてあげられれば、なお素晴らしい関係が築かれていくでしょう。
しかし、これはある程度、信頼関係が構築されていないと、逆効果にもなりかねません。いずれにしても、コミュニケーションには思いやりの気持ちが必須です。
ママ友全員と仲良くできて、誰からも好かれる、そんなことはほぼ不可能です。人はみな違うのですから。
しかし、上手にコミュニケーションをとり、より良い人間関係を構築していくことにより、ママ友の中から一人でも、生涯の友となる方をご自身のコミュニケーションによって作ることができたなら、それは大変幸せなことですよね。ぜひ取り組んでみてください」
いかがでしたか? 園のママ友とのグループLINEのときにこのような悩みを抱えていた方は、ぜひヒントにして、上手くコミュニケーションや対処をしてみてはいかがでしょうか。
【取材協力】石本 田鶴子(いしもと たづこ)さん
コミュニケーションオフィスtaz 代表。
日本教育推進財団認定コミュニケーショントレーナー 日本コミュニケーション能力認定協会シニアトレーナー PHPビジネスコーチ アンガーマネジメントファシリテーター 大分県立看護科学大学非常勤講師