ママたちよ、〇〇〇〇になれ!ミルクでも母乳でも、どっちでもいいじゃない?

竹中:子育てしていると、どうしても「正解」が欲しくなっちゃうし、親の考える「正解」が、必ずしも「答え」でないこともある。

にも関わらずみんな、「正解」に沿ったリスクマネジメントを準備しようとしてしまう。事前にいろいろ調べて、さまざまな障害を回避できるよう、まるで仕事のように段取りをつけようとしてしまう。

そして「できなかったらどうしよう」とか、できたらできたで「ほかの方法の方がこの子のために本当は良かったのか」とか延々と悩む・・・。

でも、子どもは自然物ですからね。しょせん計画通りにはいかない。思いもかけない、いろいろなことが次々と起きる。

じゃあ、どうするか?というと・・・

ーーどうするんですか?

竹中:スライムになる!

ーースライム?あの、ねちょねちょした?

竹中:「育児で何か問題があった時」を、子どもに体当たりされたイメージに例えて想像してみましょうか。

こちらが四角い柱だったら、衝撃の度合いによっては折れてしまったり、受け止められなかったり、双方傷ついてしまったりしますよね?

そんな時、スライムだったらどうですか?ぐにゃ~と形が変わりますから、相手がどんな形で来ようとあまり関係ないでしょう?

変幻自在。どうとでもなる。つまり育児って、そのくらい親の側の柔軟性が必要なものなんじゃないかな、と過去の体験や【母乳110番】の相談事例から私は思っています。

子どもは元々、頭も身体も相当柔らかい。問題は計画通りにことを進めようとする大人の方にあるのではないか、って。

ならば自分を常にぐにゃぐにゃの何でもあり状態にして「相手に合わせて、状況に応じて、方法を変えてゆけばいい」。

で、最初からそう思っていると、あら不思議。思い通りにいかないことだらけの乳幼児との生活もあまり辛くない(笑)

ーーハハ、たしかに。でもそれって「計画通りにしようとするのは最初からあきらめろ」とも聞こえるんですが。

竹中:そうです。だってスライムだもん(笑)

そうすれば、ママ自身の気持ちがすごくラクになりますよね。結果、子どもも、周囲のみんなも笑顔になる。

みんなで楽しい方がいいじゃないですか、育児って。じゃないと、続きませんよ(笑)

ーーということはつまり・・・本当の目的さえ忘れていなければ、どっちだっていいんですね(笑)

竹中:そう!だからね、「ミルクでも母乳でもどっちでもいい」でいいじゃない?(笑)

次回は「ミルクでも母乳でも構わない」なら、授乳の最重要ポイントって何だろう?というお話をしましょうか。

このFAQが、ひとりでも多くのママの追い詰められた気持ちをほぐせますように。

【取材協力】竹中 恭子(たけなか きょうこ)氏

母乳110番】代表・電話相談員。イラストレイター・ライター。1男1女の母。
おっぱいとだっこ』『おっぱいとごはん』『家族のためのおっぱいとだっこ』の母乳育児3部作ほか、著書・共著多数。『おっぱいとだっこ』は第9回ライターズネットワーク大賞受賞、近年は水彩画家「武蔵野つきこ」として『授乳美人』作品シリーズも発表。公式ブログも。

15の春から中国とのお付き合いが始まり、四半世紀を経た不惑+。かの国について文章を書いたり絵を描いたり、翻訳をしたり。ウレぴあ総研では宮澤佐江ちゃんの連載「ミラチャイ」開始時に取材構成を担当。産育休の後、インバウンド、とりわけメディカルツーリズムに携わる一方で育児ネタも発信。小学生+双子(保育園児)の母。