愛情が「身内に対する親愛」に変わるとき
「あなたは、奥さんとイチャイチャするのはイヤなの?」という質問に、夫は
「イヤじゃないよ。でも、子どもが産まれたら旦那っていうより父親の意識が強くなって、妻のことも母親として見てしまう。
愛情はあるけど、恋愛感情っていうより身内に対する親愛のような感じだし、みんなそうなるんじゃないの?」と、戸惑ったように答えました。
子どもができる前なら、いつまでも恋人みたいにラブラブな感情で過ごすことができたかもしれないけど、いざ赤ちゃんが目の前にいる生活になると、夫婦より親としての意識が強くなる。
一般的には「父親の自覚がない夫」に悩む妻が多いように感じますが、逆に妻がその意識が薄く、それより“今まで通り”のふたりを望んでいることに夫が頭を抱える場合もあるのですね。
「妻が母親になってしまい、女としての魅力を感じなくなった」とボヤく夫に比べれば数段マシなように感じるこのケースですが、「赤ちゃんが遊んでいるときに平気でキスしようとする姿に辟易する」こちらの夫にとっては、決して幸せな現実とはいえません。
「良い夫」ではありたい。でも、それは妻が求めている自分とは違う。
この男性の望みは、「一緒に親としての自覚を持って、子どものことを第一に考える生活がしたい」というもの。
愛情の変化と生活の変化をともに受け入れてくれない妻にどう接すれば良いのか、男性は今でも「家に帰るのが憂うつになる」といいます。
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家庭の中心は、子どもではなく夫婦です。
妻が変わらずに持ち続ける愛情は、確かに夫婦としては理想かもしれません。ですが、子どもができればその愛情は残しながらも親としての新しい心構えも必要になります。
イチャイチャしたがることが悪いのではなく、夫のストレスは「妻がいつまでも“女としての自分”を何より大事にしていること」。
そんな妻を歓迎したいと思いながらも、もっと親の顔を忘れない女性であってほしいと、この男性は願っています。