ミニマリストになれば、無駄なお金を使わない。お金が貯まる体質になれるかも?
ミニマリストが「モノをもたない」ということは「モノをあまり買わない」ことであるはずです。買い物ばかりして無駄づかいを止められない人にとってはミニマリストの生き方は節約にも通じるように見えます。
お金の専門家であるファイナンシャル・プランナーとしても、ミニマリストのマネープランはとても興味深いものです。従来の常識的な家計と異なる生活が確立されているからです。私たちの生活に、ミニマリストのライフスタイルを参考にすることで節約のヒントは見つかると思います。
しかし、ミニマリストになれば単純にお金が貯まるというわけではないと考えています。
ミニマリストの注意点は「買い物の単価が上がる」こと
ミニマリストは単純に買うモノの量が少なくなるわけですから、家計としてもお金がかからないライフスタイルと考えがちです。しかし、これは家計管理としては間違いです。
買うモノは少なくて、高いモノを買う、という可能性が考慮されていないからです。
市街地のワンルームマンションではなく、山手線の内側でワンルームマンションを借りれば、狭い部屋でも家賃は上回る可能性があります。
服は10枚しか買わないとなれば、ひとつひとつ吟味したくなります。ユニクロや無印良品を買わずすべてブランドで固めればシャツも靴も単価は何倍にも跳ね上がります。「10枚」という上限は維持するものの、新しく買うたび1枚捨てる生活であれば、「10枚」が物持ちがいいとイコールではありません。
食材を無駄に買い込んで傷ませることはなくなっても、外食ばかりで食事をすませるようになれば、これまたお金はもっとかかるようになります(粗食を前提にしなければ節約は不可能です)。高い食事を出すお店で外食するようになれば、予算は倍増してしまうかもしれません。
買い物は「買う量」の問題と「単価」の問題の双方でセーブしないと節約になりません。
ユニクロで全身を固めて、郊外の安い部屋に暮らすミニマリストなら、お金はほとんどかからない生活になりますが、そうなるとミニマリストというより単にお金がない若者の生活にしかならず、ミニマリストならではの「こだわり」部分があまり見えてきません。
ミニマリストを洒落た生き方として考えてしまうと、出費セーブにならない面があるのです。