コメディは“手段”でしかない
軸にあるのは“ドラマ”だ

「僕らのことを知らない方は、コメディをやる劇団という印象が強いと思うのですよ。楽しいだけの作品を作っていると。ただ、僕らのなかで、コメディは僕らのなかで目的ではない。まず描きたいドラマがあって、その手段としてコメディを使っている」(吹原)

そんな劇団の作品群の中で、出演者たちが、「これまでのなかで一番驚かされた」というのが本作だ。

吹原作品はもちろん、コメディへも初挑戦だという久保田さんは「右も左もわからない状態ですが、単純な笑いだけの作品ではないことは理解しました。死生観という軸がちゃんとあるので、ぶれないよう。笑いに持っていっても、ちゃんと引き戻せるように、ドスって構えて演じたい」と熱意を語る。

「生きてくうえで、一番多い出来事が別れだと思う。一人の人生でもそうだし、人類全体に置き換えても同じ。『じゃあ、別れって人生の中でどういう意味を持つのだろう?』って考えたのですよ。たとえば、大切な人が亡くなった時、悲しむだけならネガティブなものになってしまう。しかし、それをなんとか人生においてプラスにとらえたい」というのが、メンバー共通の認識だという。

こんなヤバい格好をしながらも、壮大な意気込みを語る彼らが紡ぎだす舞台に期待したい。

【公演名】ポップンマッシュルームぴあ野郎「錆びつきジャックは死ぬほど死にたい」
【スケジュール】2015年10月28日(水)~11月3日(火)
【会場】CBGKシブゲキ!!
【料金】プレミアム席8,500円 一般席5,800円 学生席(高校生以下)2,500円
※学生席は18歳未満。要身分証。チケットぴあのみで予約可。数量限定。
■チケットぴあ(Pコード)446-060
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「ぴあ中部版」映画担当を経て上京、その後はテレビ情報誌、不動産雑誌・広告などの編集・ライターを務める。著書に『年収350万円でも家が買える』(2014年・彩図社刊)。また、映画監督としては、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭などで注目され、2002年「異形ノ恋」(出演・西川方啓、木下ほうか、寺田農)でデビュー。