実は世界一のパン職人は台湾にいる! 知られざる台湾のパン事情
後半はフードコーディネーター石井さんによる、台湾のパン事情についてのレクチャー。
台湾はモンディアル・デュ・パンの優勝国であり、庶民派のお店から、1000円以上もするようなパンを売るセレブなブーランジェリーまで、幅広く店舗展開がされているそう。
クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリーの、第1回マスター・ド・ラ・ブーランジュリーのパン部門優勝者、呉さん作・ライチと薔薇のパン。日本円で1500円ほど。
石井さんによると、台湾で多く売られているパンの特徴は、卵とバターやラードなどの油がたっぷり使われていること。「カロリーは高いけれど、甘くって美味しい!!」のだそう。写真を見ているだけで、こってりした甘さが伝わってくる。
日本のものと似ているパンも。
ただし、日本語表記ではメロンパン。台湾では「パイナップルパン」なのだそう。
もちろん、「バゲット」も漢字表記。
昭和っぽい雰囲気のパン屋さんの看板を見ると、「布列徳」(ぶれっど)と当て字が!
最後に平岩さんに、バゲットの楽しみ方について教えてもらった。
「バゲットが一番美味しいのは、焼きあがってから6時間の間だと言われています。すぐに食べないのであれば、買って来たら冷凍保存してしまうのが、新鮮さを保つポイントです。」
なお、冷蔵庫保存はパンのでんぷんが劣化するスピードが一番速いとされる温度帯に近いため、 オススメできないそう。
「バゲットはクラストのパリパリ感と、クラムのふわっとした食感の差が大切です。食べる前にトースターで軽く焼き直すことで、焼き立てに近い味わいを楽しめます。」
保存や焼き直しの手間を惜しまないことが、焼き立て本来の味わいを楽しむ秘訣だそうだ。せっかくバゲットに詳しくなったこの機会に、パン屋さん巡りをしてみたい。
(取材/小松田久美)