寝起きの体調の悪さを回復させる工夫

寝不足で、脳や身体の疲れが残っている時は、本能的にはまだ眠っていたいのです。しかし、脳は使命感だけで起き上がろうと頑張ります。

ところが身体を動かす筋肉、抗重力筋は、幸せホルモンをパワーの源としています。

たとえば、高跳びの大会で、大好きな人が応援してくれて嬉しくて、いつも以上の記録が出せた、反対に、ショックなことがあって気分が落ち込んでいたら、失敗して予選落ちしてしまった。これは、幸せホルモンの量が抗重力筋のパワーを握っていることがお分かりでしょうか?
(抗重力筋と幸せホルモンの密接な関係は、マウス実験でも証明されています。)

また、幸せホルモンは脳に支配されていませんので、疲労が残っている間は、脳がいくら活動指令を出したとしても、身体を守るために、「まだ眠りたい」という本能に忠実になってしまうので、幸せホルモンの分泌が悪いのです。

自律神経は、幸せホルモンに反応して副交感神経に切り替わるので、幸せホルモンの分泌が悪いと血管が拡張せずに血流も悪く、普段の体温に戻るのにも時間がかかります。人間は低体温状態では、身体はうまく動かず、気分が悪いのです。

低血圧の人が、良質な睡眠をとっても朝はしばらく気分が悪いのも、同じ理屈です。血圧が通常値に上昇するまで血圧が低いので、その分血流も悪く、寝起きの体温上昇に時間がかるからです。だから血圧が低い人は、血流を良くするために幸せホルモンの分泌に一層の努力が必要です。

そこで、朝の寝起きの悪さを改善するために、幸せホルモンの分泌を促す効果的な方法をご紹介しましょう。

1.大好きな人にハグしてもらう
愛する人のハグは、大量な幸せホルモンの分泌につながりますので、最も効果的です。

2.起きてすぐ、コップ1杯のドリンクを飲む、あるいは朝食をとる
胃腸が動き出すと、副交感神経が活発になります。

3.おなかを時計まわりにマッサージしたり、腰を回すストレッチをする
腸を刺激して排便を促します。腸の活動は、副交感神経を活発にし、幸せホルモンの分泌も促進します。

4.ヒーリングミュージックやアロマの香りの中に身を置く
リラックス効果が高いヒーリングミュージックやアロマの香りの中に身を置くことで、副交感神経を強制的に活発にさせると、幸せホルモンの分泌を促すこともできるのです。

5.伸びをして全身の筋肉を動かす。
とくに大きな深呼吸をする、大股で歩くことで、肩関節や股関節を大きく動かすのも効果的です。全身の抗重力筋を刺激することになります。反射作用で幸せホルモンも分泌されますので、身体の活動開始に一層の効果が期待できます。

6.「あいうえお」と顔全体の筋肉を動かすような感じで声に出す
表情筋(抗重力筋)を動かすので、幸せホルモン分泌の効果が期待できます。

7.目じりを大きく上に引っ張るような感じで、こめかみをマッサージする。
表情筋(抗重力筋)を動かすので、幸せホルモン分泌の効果が期待できます

(※本来幸せホルモンが分泌されると、自律神経の副交感神経が活発になりますが、反射作用としてその逆もあります)

それでも眠気が残る時は?

どうしても眠い時は、コーヒーを飲んで、15分程度のうたた寝も、起きた時に目覚めすっきり効果があります。

「カフェインは睡眠を妨害する」といわれていますが、カフェインは効果が現れるまで30分ほどかかるのです。だから、30分未満のうたたねの場合、ちょうど目覚めるころにカフェインが効き始めて、スッキリ目覚めることができるというわけです。

朝時間があるなら、食後のコーヒーを飲んで、10分ほどうたたねをして出かけるのがお勧めです。通勤途中でカフェインが効き始めて頭も身体もスッキリしてきます。この方法は、午後イチの眠気覚ましに効果的だと、学校や企業でも採用されています。