1月に発売されたアディダスの新作シューズ『adizero takumi sen boost2』。
ひとくちにランニングシューズといっても、通常のジョギングで使用するシューズからフルマラソンを2時間台、3時間半台で走るエリートランナーが履くシューズまで様々。
この『adizero takumi sen boost2』は箱根駅伝で優勝した青山学院大学駅伝チームの選手も履いており、まさにフルマラソン2時間台、3時間前半台で走る人たちを対象にしたシューズ。
しかも、このシューズはシドニーオリンピック女子マラソン金メダリスト高橋尚子、アテネオリンピック女子マラソン金メダリスト野口みづきの走りを支えたシューズ作りの名人で現代の名工と言われる三村仁司氏が4年の歳月をかけて開発。
それだけの歳月をかけて開発されたシューズを実際履いて試してみました。その履き心地を踏まえながら紹介します。
僕が感じた3つの特徴
1)フォア部分(小指の付根から前足部)に搭載されたクッション性と反発性を両立したミッドソールの「boost」が大きな推進力を生み出す
フォア部分にアディダスが独自に開発し、今のアディダスのランニングシューズを支えているクッション性の高いソール素材『BOOST フォーム』を搭載。
その『BOOST フォーム』の反発性が蹴り出しで大きな推進力を生み出してくれます。着地直後にシューズから押し返されるような感覚です。ソールは全体的にフラットな構造のため、フォア・ミッドフット走法(前足部-中足部)で接地する走法のランナーに向いたシューズといえるでしょう。
2)こだわり抜いた最高のメッシュが実現する履き心地
三村仁司氏が最もこだわり抜いたというのが「Mim-lite MESH X」というメッシュ素材。高い通気性を確保しながら形態維持に優れた復元性を持ちます。シューズ内での足の動きにフィットし、無駄なブレを防いでくれるでしょう。
『adizero takumi sen boost2』は、前作から比べてもさらに軽量化を実現。加えてフィット感が高いため、長時間履いていても疲れませんでした。
3)力強い走りを支える耐久性に優れたグリップ性能
アウトソール前足部に施された『コンチネンタルラバー』は、そのグリップがしっかりと地面を捉えます。蹴り出した力を無駄なく地面へと伝え、より速いスピードを実現してくれるでしょう。
さらに高い耐久性を持ち、長距離走における接地摩擦にも負けません。長く愛用できる、高性能シューズと言えるのではないでしょうか。
ちなみに私は、イベント後もしばらく『adizero takumi sen boost2』を履いて走っています。
もともとフラット寄りのフォアフット走法ということもあり、自然な感覚で無理なく加速が行える印象。
いくつか他シューズと履き比べてみましたが、同じスピードでも一番早くスピードにのったように感じます。
とはいえ、「スピードを出さないと適さないのか?」と言われれば、そうでもありません。
実際に4:00~6:30/kmまでスピードを変化させてみたところ、体幹を意識してフォームを維持できれば、ペースに限らず効率的に走れました。
上り坂もグリップが良く『BOOST フォーム』で力強く登ることができます。
ただし下りはソールが薄い分、できるだけ上下運動を抑えないと着地衝撃が大きいでしょう。
特に普段からかかと着地で走っている方などは、いきなり走ると脹脛などへの負担が大きいかもしれません。
ただしそれは、逆に『adizero takumi sen boost2』を履きこなせるようトレーニングすれば、それだけの走力が身に付いていくということ。
自然とフォームも改善できるはずです。目的を明確にして、くれぐれも無理はしないようにしましょう。