「〇〇ができるようになったね」とちょっと前の子どもと比べる

親がついやってしまうことで多いのは、わが子をほかの子と比べてしまうこと。あなたも経験がありませんか? 子どもの頃に、兄弟や同じクラスの優秀な子どもと比べられて、自分が劣っていると不安になったことが誰しも一度や二度はあったのでないでしょうか。

このように、自己肯定感を育てる上では、「ほかの子どもと比べること」はできるだけ避けた方がよいそうです。

ほかの子との比較によって、褒める、褒めないという行動を繰り返していると、子どもには「結果を出さないと評価されない(見捨てられる)」という不安が湧きます。

自己肯定感を育てるためには、ほかの子と比べるのではなく、少し前のその子と比べることです。

例えば、一年前の誕生日など、節目となる時のその子自信と比べ、挨拶ができるようになっていたり、自分で着替えができるようになっていたりと、できることが増えているはずです。

うまく子どもを褒められないという親は、「だいぶ〇〇ができるようになったね」と、声掛けをしてみてください。そうすれば、うまく褒めることができるようになっていきます。

子どもに大人のしくじり体験を話そう

最近では、ネットなどで情報収集が可能になったため、仕事やプライベートにおいても、予約ミスや間違いなど失敗経験をする機会が少なくなったと言えます。

大人が人前で恥をかくようなしくじり体験が減ったため、子どもへの寛容度が下がってしまったと言えるかもしれません。

平岩さんは、失敗を恐れた子どもが、「やったことがないから、やりたくない」という姿に、驚きを感じたようです。このようにならないためには、周りの大人が失敗を笑い飛ばしたり、失敗から学んだことを、子どもに伝えるべきであると著書では書かれています。

子どもの模範であろうとすると、良い部分だけを見せようとしますが、人間味や弱さを子どもに見せることで、親と子どもとの距離がぐっと縮まると言えます。「失敗から学ぶこと」を、肌感覚で子どもに理解してもらうことが必要です。

「自己肯定感」を育てるには、他人と比べず、目標を低く設定し、成果ではなく、挑戦したことを褒める。そして、自分のしくじり体験も笑って話す。簡単なように見えて、最初は実践するのが難しいかもしれません。

親が子どもを育てていくのではなく、子どもと一緒に成長していけるような育児ができると良いですね。