チュ・ジフン

――ご自身も自分の殻を破りたいという気持ちがあったのですか。

チュ・ジフン「実は私はこの作品の表現が過剰だとは思っていません。

情事のシーンがよりエロティックでなくてはいけないとか、俳優達の露出がより現実的でなければいけないという意味ではありません。ご覧いただければ分かりますが、“19禁”映画が与える退廃的な感じは、この映画にはありません。

表現方法において、より露骨な手法を用いれば、映画が見せようとするメッセージがうまく伝わるだろうと思いました。

観客は、いずれにしろ映画を受け入れるだろうし、理解しようという心を持って劇場に来るでしょうから。オープン・マインドな観客たちに対して何かを自制するのが果たして正しいのか。

恐らく私たちの社会では、他の国や他の文化に比べて、忌避される項目があまりにも多いのではないでしょうか。私はそのような“禁”を壊すことに興味があったのです」

――ご自身の少年時代について教えてください。

チュ・ジフン「私が幼い頃住んでいたエリアは、貧しい人が多く住んでいる地域でした。成人して本当に色々なことに驚きました。

今は私が成功できたので、両親に家を買えましたが、幼い頃は10坪ほどの家に8人で暮らしていました。その前は2坪ほどの家に、両親・妹・私の4人で住んでいました。高校へは助成金をもらって通い、制服も先輩たちが置いていった中からサイズが合うものをもらって着ていました。でもそんなことは悲しいとは思いませんでした。

20歳になってモデルの仕事を始めてソウルに出てきましたが、ブランドものの服や靴、当時高かったMDプレイヤーなどを持って歩く人たちの姿に非常に驚いた記憶があります。

当時私は穴の開いたスニーカーを履いていました。本当に新しい世界を見るような体験だったのです」

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