恵まれた家庭で平穏な毎日を送っていた優等生が殺人事件と関わったことから、次第に明らかになっていく家族の秘密を綴るミステリードラマ『完璧な家族』が話題となっている。韓国ドラマの演出を初めて手掛けた行定勲監督のインタビュー後編をお届けする。
『完璧な家族』ストーリー
裕福な家の一人娘ソニは成績優秀な高校生。同級生のギョンホから思いを寄せられているが、幼なじみのヒョヌを交えた3人であくまで友人として接していた。そんなある日、転校生のスヨンが養護施設時代の友人で、しかも自分のせいでつらい人生を送ってきたと聞かされてソニはショックを受ける。間もなく、ギョンホの家で彼がソニをかばい、スヨンに刺されるという事件が発生。その夜に起きた火事でギョンホ一家が全員死亡したと知って疑心暗鬼に陥るソニを、さらなる不穏な出来事が待ち受けていた……。
監督が語るキャストの魅力 後編
ーー刑事役キム・ミョンス(INFINITEエル)のキャスティングは?
彼は本当にスケジュールがなかったんですが、プロデューサーの強い希望で出てもらったんです。それで撮影に入ったら、ものすごく台本を読み込んでいて、本当に的確でした。
多分とても努力家なんでしょうね。例えば一つの動きについて、僕が『ここまではいいんだけど、ここからこうギアを変えて、気持ちをもうちょっとニュートラルに変えてやってみてください』と抽象的な言い方をしても、すぐに理解して見事に表現してくれましたし、やはり表情の作り方とか映り方をよく分かっているなと感じました。
もちろんすでに主役をやっていますが、今後もっと上にいかれるし、もっと評価されてもいいんじゃないかと思います。撮っていて、彼の的確さに助けられて画がしっかりしてくるという感じがして、今回は出番の少ない中でうまく脇を固めてもらえました。
ーー謎の男ヒョンミン役ユン・サンヒョンについて。
彼に対しては『シークレット・ガーデン』の印象が強かったせいか、ちょっとチャラチャラしたというか、ひょうひょうとした色男ってイメージを持っていたんです。でも、実際には謙虚で誠実な人なんだ、というのが接しているうちに分かってきました。
ヒョンミンは単純なキャラクターではないんだよ、ということを家族愛や子どものことなどを交えて解説すると『自分にも子どもが3人いるので、よく分かります』と涙ぐんで話したりするんですよ。
演技については、違うところを指摘しながら褒めるところは褒めて、と演出をつけていたら、『今までちゃんと褒めてもらえたことがなかった。自信を持たせてもらえました』と言うんです。いい意味で人間としての小ささもちゃんとさらけ出せる人なんですね。
ヒョンミンは人間っぽくて泥臭くあってほしいと思っていたんですが、そうなっていったのは彼のおかげだと思います。最後のほうはもう何をやってもヒョンミンにしか見えなかった。ユン・サンヒョンさんがこの役で、本当に良かったです。































