いじめに苦しむ高校生を、ケンカに強く義理堅いヤクザの魂が変えていく、すっきり爽快なファンタジー作『ヤクザの俺が高校生になった』。主人公を演じるのは、近年は『エージェントなお仕事』や『内科パク院長』などのコメディ作品や、バラエティ番組での"ツンデレ"な人柄が人気のイ・ソジンと、子役出身で『今、私たちの学校は…』や『少年非行』シリーズなど学園ドラマで活躍を続けるユン・チャニョンの2人だ。
彼らが演じたのは、大学進学を夢見る暴力団のNo.2ドゥクパル。腕っ節の強さ、義理堅さをもちあわせ、親分からの信頼も厚く、手下からも慕われる、まさに昔ながらの“任侠の男”。そんな男が、高校生イホンの身体に憑依してしまうところから物語が始まる。
四字熟語には詳しいが、数学はからっきし苦手。それでも大学受験をめざして勉強を続ける七星(チルソン)派のナンバー2、キム・ドゥクパル(イ・ソジン)。ところが、敬愛するボスから、勉強を諦めて、組織をつぐように命じられる。そんなとき、陸橋から今にも飛び降りようとしているイホン(ユン・チャニョン)を発見。慌てて止めようとするのだが、身を投げ出すイホンとぶつかってしまう。
目が覚めると、そこは病院。なんと、イホンの肉体に魂が入ってしまっていた。その後、タブレッドに残されたイホンの苦しい日々と悩みや願いが綴られた日記を読んだドゥクパルは怒り心頭! イホンのためにひと肌脱ぐことを決意し、勉強と肉体の鍛錬をはじめるが……。
同名の人気WEB小説から、基本のキャラクター設定を踏襲しながら、物語を再構築。いじめ被害者の痛快な逆襲劇かつ、さまざまな問題を抱える高校生の成長や友情、親子の姿などを描くヒューマンファンタジードラマに仕上げている。
スカっと気持ちいいのは、中身が47歳のおじさん高校生が、ジェネレーションギャップ丸出しにしながら、彼だけのやり方で、「友達を作る」「母親を守る」といったイホンの願いを一つひとつ達成していくこと。さらに、ただ悪者を懲らしめるのではなく、“大人”として、イホンに関わる子どもたちの成長や自立を促していくところが面白い。元の手下たちに向かっても、“兄貴”として接してしまうために生まれるコミカルなシーンも見どころだ。
そんな、独特の魅力を放つ主人公をユン・チャニョンが抜群のセンスで演じきった。
ドゥクパルらしい荒々しくも堂々としたケンカ、人心掌握術から、女子生徒たちへの対応など、高校生“らしくない姿”はもちろん、ことばの節々に見られる“おじさん感”まで完璧なのである。
それもそのはず。ユン・チャニョンは、本来のドゥクパルに扮したイ・ソジンとの2人1役を成功させるため、バラエティ番組『ソジンの家』を見て、イ・ソジンの話し方や普段の行動を観察したそう。劇中では、高校生イホンに入ったドゥクパルの心の声をイ・ソジン自身が担当していることもあるのだが、そうではないときでも、セリフやアクションからイ・ソジンの姿がそこここに感じられる。まさに抜群のシンクロ率だ。
また、イホンの変化にいち早く気づき近づいてくる優等生チェ・セギョンとの物語も見逃せない。
セギョンは、成績優秀、元生徒会長で、クラス委員、女子生徒からも当然人気が高い。でも実は、検事の父親の支配に苦しむという秘密をもっている。
そんな、家庭の問題を抱えながらも、優等生の仮面をかぶって生きるセギョンの二面性をGolden Childのジェヒョンが丁寧に演じている。
正体を疑いながらも、勉強を教えたり、ピンチを救おうとしたりと、なにかとイホンにかまうセギョンの本当の目的とは? この友情は本物か、偽物か? 彼らの選択を見守りたくなるはずだ。
『ヤクザの俺が高校生になった』
Lemino (レミノ)にて日本独占配信中
2024年/全8話
出演:イ・ソジン、ユン・チャニョン、ボン・ジェヒョン(Golden Child)ほか
©2024 Number Three Pictures / Presented by A+E Networks
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