8月になり、学校や幼稚園などが夏休みの期間に突入しました。子どもと一緒に過ごす時間が長くなり、子どもの態度にイライラしてしまうこともあるのでは?
子どもたちは学校や外で過ごすのとは違って、家にいると、ついダラダラとテレビを観たり、ゲームに夢中で宿題や、勉強などを後回しにしてしまうことも。
そんなわが子の姿に、「どうしてうちの子は、やる気が出ないのだろう……」と落胆してしまうママも多いのではないでしょうか。
子どもにポジティブな言葉や、問いかけを与えることができれば、子どもの意欲を引き出すことができると語っているのが『脳科学×心理学 うちの子のやる気スイッチを押す方法、教えてください!』です。
この本の書者は、プロアスリートやアマチュア選手などのスポーツに励んでいる人たちのメンタルコーチングをしている鈴木颯人さん。
鈴木さんの声がけで、3カ月のコーチングで日本一になった柔道選手や、ハーフマラソンで1分近く自己ベストを更新した陸上選手など、やる気スイッチのおかげで才能を開花させた人たちがいます。
果たして、親はどのような言葉かけを行えば、子どもの能力を発揮できるようになるのでしょうか。具体的な言葉かけを4つ紹介していきます。
注意されると興味を失う。改善できるところを見つける
本書では、ピアノが得意なママが、息子に注意ばかりしているエピソードが紹介されています。たとえ、自分が得意な分野でも、子どもに注意ばかりしていると、子どもは嫌気がさしてしまい、「やめたい」と口にするようになります。子どもは、注意ばかりされると物事への興味を失っていきます。
鈴木さんは、「反省はネガティブな感情を呼び起こし、かえってモチベーションを下げてしまう」と説いています。
子どもをやる気にさせるためには、ダメ出しではなく、改善点を示すようにアドバイスしてあります。ピアノの場合だと、「いつもここで失敗しちゃうよね」ではなく、「ここを改善するともっと上達するよ」というような、気持ちが前向きになるような声かけを心掛けるようにします。
改善点が見つかると、子どもも「じゃあ、どんな練習をしようか」と気持ちが前向きになります。日ごろから、悪いところばかりではなく、良いところを探す癖をつけておくようにしましょう。
何を聞いても無関心な子には「あなたならできるよ」と応援
子どもに自我が芽生え始めてくると、何を聞いても「別に……」という態度や、「うん」という返事ばかりで無関心な態度をとるようになることもあります。本著では、部活動にも入らずに、家でずっとゲームをしたり、テレビを観て過ごしている息子の姿に、”こんな調子で大丈夫か”とやきもきしている親のエピソードが紹介されています。
鈴木さんは、「“何かやりたいことはないの? ”などとしつこく問いかけるのは、子どもに答えを強要していることになります。まずそこに気づかなくてはいけません」と書いています。
子どもに何か聞いても答えない時は、静かに待つようにアドバイスしてあります。なかでも無理に心の扉を開けようとするのはNGだそうです。
例えば、子どもが音楽を聴いている時に「ぼくもあんなきれいな詞を書いてみたい」と言ったら、無謀な挑戦と思えても「あなたならできるよ」と応援するようにすることで、子どものやる気につながります。
子どもは、親が自分を信頼し認めてくれていると感じると、意欲的になれます。何事にも無関心の子どもでも、親が信じて待つ姿を見せれば、いずれ自ら動きだします。そのためには、「できるよ」と励ますようにしましょう。