自己肯定感を育てる魔法のフレーズ
自己肯定感や自尊心は、思春期や大人になってから身に付くものではなく、幼児期にその基礎が出来上がると筆者は考えています。
逆に言えば、「三つ子の魂百まで」と言うように、ネガティブな思考癖がついてしまえば、それを大きくなってから取り除こうとしても難しいのです。
幼児期の子どもは、生きていくために必要なありとあらゆる情報や術を積極的に身に付けていく時期。この時期には、「できる!」という自信や「できた!」という達成感が何よりも大切です。そして、この自信や達成感をふんだんに与えることによって、自己肯定感や自尊心が育っていくのです。
そこで、日々の生活の中で使ってほしいのが、二つの魔法のフレーズです。
<You can! あなたならできる>
「あなたならできるよ。がんばって!」
「だいじょうぶ! きっとできるわよ」
と、自信を持たせましょう。これは自己暗示でイメージトレーニングにもつながります。
<You did it! できたじゃない!>
そして、子どもが頑張ってできた時は、その言動や努力したことを認め褒めてあげましょう。
「お隣のおばさんにちゃんとご挨拶ができたね」
「お友達に大きな声でごめんなさいって言えたわね」
「これ自分で書けたの? すごい!」
「それ自分で考えたの? いいこと思いついたね」
「この練習帳最後までできたね。 頑張ったね」
そうすることで、子どもは自分をしっかり見てくれていると安心し、「自分は大切な存在だ」と感じながら、自分の言動に自信を持つようになります。 自分の言動に自信が持てれば、「自分は価値ある人間だ」と、自分の存在を大切に思う気持ちが育っていくのです。
気をつけたいNGな褒め方
自己肯定感や自尊心は、自分に価値があるという考えですから、単純に言えばそう思わせるようなことを言えばいいと思いますね。
ところが、褒め方を間違えると、自己顕示欲の強い、傲慢で鼻持ちならないナルシストになってしまいます。
たとえば、ただ「あなたはすごい!」「あなたは頭がいい!」「あなたはかわいい!」などと言うとどうでしょうか?
こんな風に褒められても自分の何がすごいか具体的に感じることができませんね。
また、自分が何も努力していないことを褒められると、自分は努力しなくてもすごい存在なのだと思ってしまいます。周りから「かわいい!かわいい!」ともてはやされて育った美少女が、わがままで傲慢になってしまうというのは、よく聞く話です。
褒める時は、必ず子どもの言動や努力したことを具体的に褒めましょう。