中学の頃は、嘘でも「好き」って言えないくらい、それくらいパパのことが嫌いだった。だからパパに近づくのもいやだったけど、AKBに入って、パパのことを好きになれた。今は自分からパパの近くに行って、膝の上に乗ってみたりもできるようになったし。
“プレゼント買ってあげたい”
“一緒にお酒飲みたい。注いであげたい”
って、思えるようになった。家族の中で、パパが一番変わったと思う。
一番、変わらなかったのはママかな。ずっと私のことを見ていたし、コンサートのときにも言ったけど、「佐江は変わっちゃうかもしれないけど、私の接し方は変えないからね」っていう、“ママの意地”みたいなものは、ずっと変わらなかったから。
私が疲れて帰って来て、家族にあたるとママもあたり返してくるというか。「そんなのこの家に持ち帰ってくるんじゃない! 」って。でも、そう言われても、感情をぶつけられるところは家族しかなかったから、家族にあたってたけど。。
母も、私が言ってしまった暴言に傷ついて、私がいないところで泣いていたこともあって。私は、それも知っているのに、同じひどいことを言っちゃったりして。。
兄にもすごく気を使わせちゃった。「“宮澤佐江のお兄ちゃんが、あんなことしてた”って、ネットに書かれたくないから絶対にこういうことしないでね」って、言ってたから。一般人なのに、解放感を持つこともできずに過ごさせてしまって。。
これからもそうなんだけど、申し訳ないなっていう気持ちでいっぱいだった。
でも、皆、コンサートのために名古屋まで来てくれて。“私のことを、愛してくれてるんだな”って思いました(笑)。うちの家族は皆、仕事をしているから、前もって休みを取って名古屋に来て、皆で同じホテルに泊って。
名古屋に入った皆の様子を連絡してきてくれて、それを見てすごく嬉しかった。
ーーご家族は、佐江ちゃんの“愛の素”なんだなって、コンサートのとき改めて思いました。家族から受けたたくさんの愛が、佐江ちゃんを通して、会場にいる8千人のファンへ届けられているんだな、と思って感動しました。
い、いや…、でも、ほんとうにそうです。私が家族と仲がいいことは、ファンの人は知っているけど、“私は家族に愛されているし、私も家族を愛しているんだ”っていうことを、どうしても世の中に伝えたいって思っちゃったんです。
“最高の家族に育てられた”って思える10年間を作ってくれたのは、やっぱり、家族の皆だったから。別に言わなくてもいいことだったのかもしれないけど、それは絶対にステージから家族に伝えたいって思ったんです。
ーー卒業セレモニーでは他にも、「ミラチャイ」連載でも話してくれた“見てくれている人はきっといる”という言葉もありましたね(第150回)。佐江ちゃんのあの言葉は、メンバーだけじゃなくて、さまざまな人の心の支えになる言葉だと思います。
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